標準添付ライブラリ紹介 【第 4 回】 1.8.3 更新情報

はじめに

今回は 1.8.3 がリリースされたと言うこともあり、1.8.2 から 1.8.3 で添付ライブラリがどのように変わったのかを簡単に紹介していきたいと思います。 詳細については ruby-man:ruby 1.8.3 feature や ChangeLog などを参照してください。

非推奨(deprecated)になったライブラリ

非推奨という警告がでるようになったライブラリです。

cgi-lib
代わりに cgi を使ってください。
getopts,parsearg
代わりに optparse を使ってください。
importenv
グローバル変数は推奨されないので、代わりのライブラリはありません。
date/format
%1,%2,%3 が deprecated になりました。

添付されているバージョンが上がったもの または それに相当するもの

drb, rinda
変更点は http://www2a.biglobe.ne.jp/~seki/ruby/drb_changelog_18.html を参照してください。
erb
h、html_escape、u、url_encode が module_function になり、include や extend しなくても ERB::Util.h(str) などで呼び出せるようになりました。
irb
0.9 から 0.9.5 になりました。
fileutils
いくつかのメソッドが追加されたり、機能追加されたりしています。詳細は ruby-man:fileutils.rb をご覧ください。
logger
formatter が追加されました。ファイルをシフトするときのレースコンディションが修正されました。
open-uri
https サポートが追加されました。
rdoc
いろいろな修正などがありました。詳細は ChangeLog を参照してください。
rexml
REXML::Version が 3.1.2.1 から 3.1.3 になりました。
resolv
バグ修正、SRV レコード対応、いくつかのメソッド追加がありました。
rss
RSS::VERSION が 0.1.2 から 0.1.5 になりました。
soap,wsdl,xsd
soap4r-1.5.3 から soap4r-1.5.5 になりました。変更点は http://dev.ctor.org/soap4r/wiki/Changes-154http://dev.ctor.org/soap4r/wiki/Changes-155 を参照してください。
net/http, net/https
WebDAV のメソッドをサポートするようになりました。
webrick
いくつかのメソッド追加やバグ修正などがありました。
xmlrpc
Content-Type に charset=utf-8 がつくようになりました(詳細は0007-BundledLibraries#l16参照)。FaultException が Exception を直接継承するのではなく StandardError を継承するようになりました。XMLRPC::Server が GServer ではなく WEBrick を使うようになりました。その他いくつかの修正がありました。
yaml,syck
YAML::VERSION が 0.45 から 0.60 になりました。詳細は YAML 入門の連載などをご覧ください。
nkf
NKF::VERSION が "2.0.4 (2004-12-01)" から "2.0.5 (2005-04-10)" になりました。
openssl
新しいクラスやメソッドが追加されるなどのいろいろな変更がありました。
readline
libeditに対応しました。
socket
AIX 対応などの変更がありました。
stringio
StringIO#string が nil にならないようになりました。その他いくつかの修正がありました。
tcltklib, tk
いろいろな機能追加や修正などがありました。詳細は ChangeLog を参照してください。
WIN32OLE
WIN32OLE::VERSION が 0.5.9 から 0.6.5 になりました。

些細な変更があったもの

cgi
CGI::Cookie の実装に変更がありました。
date
例外のメッセージの変更などがありました。
debug
バグ修正がありました(ruby-core:05419)。
delegate
Delegator オブジェクトが生成された後に定義されたメソッドに関しても、適切に委譲するようになりました。
ftools
バグ修正などがありました。
ipaddr
バグ修正がありました。
mathn
バグ修正がありました(ruby-core:05806)。
mkmf
バグ修正などがありました。
monitor
1.9 での変更にあわせた実装変更のみがありました。
open3
Open3::popen3 実行後の $?.exitstatus が 0 になるように修正されました。
optparse
OptionParser#default_argv が追加されました。
ostruct
inspect が再帰対応しました。to_s が inspect への alias に変更されました。
pathname
unlink の実装変更がありました。
ping
StandardError も rescue するようになりました(ruby-dev:26677)。
pp
主にコメント追加がありました。
profiler
バグ修正がありました(ruby-dev:26118)。
set
warning 減少、コメント追加、テスト追加がありました。
tempfile
typo 修正がありました(Tempfile#unlink の Errno::EACCESS -> Errno::EACCES)。
time
バグ修正や機能追加などがありました。
un
getopts の代わりに optparse を使うようになりました。
net/imap
certs の扱いが修正されました。
net/pop, net/smtp
net/protocol の修正にあわせた変更がありました。
net/telnet
sysread の代わりに readpartial を使うようになりました。
test/unit
Test::Unit::AutoRunner.run の実装変更、collect_file の実装変更がありました。
uri
「:pass」のように user 部分が空文字列の userinfo 対応(ruby-dev:25667)、コメントの追加や修正がありました。
Win32API
バグ修正がありました(ruby-core:5143)。
bigdecimal
バグ修正などがありました。
curses
メソッドの追加やバグ修正などがありました。
dbm
DBM#closed?、GDBM#closed?、SDBM#closed? が追加されました。
digest
OpenSSL-0.9.8 でコンパイルエラーになるのが修正されました。
dl
DragonFlyBSD 対応やバグ修正などがありました。
etc
グループパスワードがない環境でのバグ修正などがありました。
iconv
バグ修正などがありました。
io/wait
Win32 環境対応などがありました。
pty
例外のメッセージ変更などがありました。
strscan
例外のメッセージ変更やコメントの追加や修正がありました。
zlib
バグ修正などがありました。

挙動に変化のない変更だけだったもの

singleton
コメント追加がありました。
thread
コメントの追加や修正がありました。
timeout
コメント追加がありました。
cgi/session
コメント追加がありました。

著者について

西山和広。 Ruby hotlinks 五月雨版Ruby リファレンスマニュアル のメンテナをやっています。 Ruby リファレンスマニュアル はいつでも執筆者募集中です。 何かあれば、マニュアル執筆編集に関する議論をするためのメーリングリスト rubyist@freeml.com(参加方法)へどうぞ。

更新日時:2005/10/10 18:55:11
キーワード:
参照:[Rubyist Magazine 0010 号] [0010 号 巻頭言] [各号目次] [pre-BundledLibrariesPlan] [prep-0010]