Railsberry 2013 And RailsConf 2013

Railsberry & Railsconf 2013

目次

書いた人:つじたさとみ (@satomicchy)


出発までと全旅程

この旅行を思い立ったのは、2012 年の春でした。

2010 年に初めて RailsConf へ行ってからもう 1 回は行きたいと思っていて、毎年、RailsConf のサイトを眺めてはため息をついていました。

あるとき、どこからか (多分 twitter) で目にした Railsberry という名前で検索をかけてみると、なんだかめちゃくちゃかわいいサイトで、会場の飾り付けとかもラブリーでそれでいて Rails なんて、絶対行くしかない ♡ と思ってしまったんです。 それに、RailsConf と同じ 4 月だから両方いっぺんに行けるかもしれないと 2013 年の予定が出るのを待って、 2 つの予定が 1 週間違いなのを確認した瞬間「よっしゃ?!」とガッツポーズして計画が始まりました。

Seattle.rb にも行こうと思ったのはそのあとです。 毎週火曜日に何かしら集まってるのは知っていたので、G/W 開けまでアメリカにいられれば行けると思ってカレンダーを確認すると、仕事の予定もちょうどタイミングよく (経理担当は私だけなので、支払い関係や給与計算は代わりをお願いするのが難しいのです。)、スグに上司に休みの許可をもらって最低限の引き継ぎ (毎日のレジ締めとか入金確認の通帳記入とか) の計画を立て始めました。 それが 2012 年の暮れでした。

まずは、2 つのカンファレンスのチケットを買いました。 チケットが取れないことにはどうしようもないので、Railsberry と RailsConf のサイト更新はまめにチェックし、Railsberry は運良く早割チケットを購入、RailsConf は早割などが特になかったためか余裕で購入でき、2 月頃から航空券や宿の手配を始めました。

もちろん、ヨーロッパと北米をいっぺんに行く便利なツアーなんてありませんから、すべて個人手配です。 まずは全部片道航空券で地球を一周することを考えましたが、片道料金 (大陸を横断するような場合) の高いこと! 往復より片道料金が倍以上するとか、世間のことはわかりません。往復買って片道捨てる手もありましたが、それが航空会社にバレると差額を請求されるかもしれないという訳の分からない情報もあり、結局、最終地のアメリカ経由でヨーロッパへ行くことにしました。

旅行のスケジュールは下の表のとおりです。最初のヨーロッパまでの移動の約 2 日間 (乗り換え 4 回) は、さすがにしんどかったです。 最後の最後で荷物もついて来れなくなって、スーツケースは一日遅れで最初の滞在地、クラクフに到着しました。

旅程

期間旅程
4/20~21 移動 (関空-シアトル-ワシントン DC-ミュンヘン-クラクフ)
4/22,23 Railsberry
4/24~26 観光
4/27~28 移動 (クラクフ-フランクフルト-シアトル-ポートランド)
4/29~5/2 RailsConf
5/3 観光
5/6 移動 (ポートランド-シアトル)
5/7 Seattle.rb
5/8,9 帰国 (シアトル-関空)

【計 飛行機 8 回 + 電車 2 回 (市内移動を除く)、費用:約 40 万円 (飛行機 + 鉄道 + 宿泊 + カンファレンス参加費)】

クラクフ空港


Railsberry エトセトラ

概要

名称
Railsberry
日程
2013 年 4 月 22 日? 23 日 (2 日間)
場所
Stara Zajezdnia (?w. Wawrzy?ca 12, Krakow, Poland)
公式サイト
http://www.railsberry.com/2013
参加者
300 人ぐらい (アジア系の方は見当たらず・・・)
vimeo
http://vimeo.com/railsberryconf

会場の様子とプログラム

今年の会場は、ビールの醸造所を改造して作ったホールなんだそうです。 入り口では前年のステージにいたピンクのユニコーン (ペガサス?) がお出迎えしてくれました。

Railsberry 会場入口


外にはゆらゆら風船があったり、今年のキャラクターのねずみがステージに鎮座していたり、いたるところにカワイイものがちりばめられていて、公式サイトの雰囲気そのままでした。 もちろん、コーヒーもおやつもあって、セッションを聞かなくても満足させてくれるおもてなしです。 受付で名札をもらうと、シールとかポストカードとかノベルティをたくさんもらいました (専属のデザイナーさんもいるそうです)。

そうやっておやつに夢中になっているとき、手にさげてた COOKPAD トートバッグのおかげで、東京在住ポーランド人プログラマの Arek Turlewicz さん (@a_turl) が声をかけてくれました。Arek さんは東京で知人にこのカンファレンスのことを聞いて、帰省がてら参加したんだそうです。 ポーランド語は全くわからないし、英語もそんなに堪能ではないので、ここぞとばかりにポーランドのお話をいろいろ聞きました。 カンファレンスでは少しぐらいポーランド語で何かインフォメーションとかあるのかと思いきや、終始英語で驚いた話をすると「全員が全員完璧にわかってるかどうかわからないけど、EU のあとイギリスとかに勉強しに行きやすくなった。」んだそうです。確かに、街でも若い方のほうが難なく英語で意思疎通ができる感じでした。

会場内の様子


会場は同じセッションをみんなでずっと見る形式で、お昼の休憩時間にスポンサー主催のセミナーが 1, 2 本、別のテントで開かれてました。

今年の Railsberry は 2 回目の開催で、セッション募集では「No Rails」という方向だったため、Rails そのものをテーマにしたセッションはありませんでした。今考えてみると、なかなか思い切った話です。 でも、keynote には業界で著名な方がいらしたり、普段はあまり Ruby を使わない人がセッションをしたり、セッションの順番を分野別で分けていたりと、ところどころ工夫されてる点がみられて、カンファレンスとしては面白かったです。

個別のセッション内容についてはここでは書きませんが、すべて vimeo にありますので、ぜひご覧ください (個人的には Fred George さんの「Agile is the New Black」と Gregg Pollack さんの「 The Future of Online Learning」セッションがよかったです)。

ポーランド・クラクフという街

徒歩圏内の建物全部がこんな感じ


ポーランドへ行ったのは初めてでした。 英語が通じるということで行ってみると、旅行するだけならポーランド語がわからなくても全然大丈夫です。特に若い方は普通にやり取りできました。 また、現地の方は全体的に親切で穏やかな印象を受けました。 地方によっても違うとは思うのですが、大きな街の割にはあくせくしたところもなく、お店の人も丁寧に対応してくれます。

それに、何と言ってもご飯が美味しかったです。塩こしょうとオリーブオイルとビネガーの味付けで単調な傾向はありますが、味付けがそれほど濃くなく日本人にも合う感じで、外食でも野菜料理があるのがうれしかったです。特に乳製品が美味しくて、パンにバターをつけまくってました。観光客向けのレストランもあるし、スーパーも使い勝手がいいので、食べるものには全然困りません。

特に中心部の街並みは観光のために古い建物をたくさん残してあり、どこを切り取っても絵はがきのようでした。観光地巡りの馬車が昼間の仕事を終えて普通に車道を走って帰っていくのを初めて見たときは「おぉ、ヨーロッパ?!」と興奮してしまいました。でも冷静に考えると、日本でいうところの京都 (特に嵐山あたり) で人力車が走ってるようなもんなんだと思います。

路面電車も走っていましたが、歩いて周る範囲で十分楽しめたので、ここでは乗りませんでした。 あとは、ピアノのミニコンサートへ行ったり (ポーランドはショパンの故郷なのです)、現地ツアーで TYSKIE というビールの醸造所見学へ行ったりと、観光も楽しむことができました。


RailsConf エトセトラ

概要

名称
RailsConf2013
日程
2013 年 4 月 29 日?5 月 2 日 (4 日間)
場所
Oregon Convention Center (777 Northeast Martin Luther King Junior Boulevard Portland, OR, America)
公式サイト
http://www.railsconf.com
参加者
500~600 人ぐらい (日本からも何人かいらっしゃってました)
confreaks
http://www.confreaks.com/events/railsconf2013

会場の様子とプログラム

RailsConf は規模が大きいので、Railsberry とは違って"いかにも国際会議場"ていうところでだいたい開かれるようです。 今年の Oregon Convention Center も大きな会場で、RailsConf の開催中も他のイベントをやってたりしてました。

RailsConf の横断幕を見つつ受付ブースで名札をもらったら、あとは時間までフリーコーヒーで待つ感じ (3 年前の RailsConf はもっと豪華な朝食がついてたんですけど、その辺は会場の都合なのかスポンサーの都合なのか、詳細は不明です)。 セッションの会場は、keynote などの大きなメイン会場 (keynote 後は半分に区切られる) が 1 つと、その半分ぐらいの会場が 1 つ、さらにその半分ぐらいの会場が 3 つで、計 5 つの部屋がありました。それらが全部満員になることはないんですけど、人気のセッションでは立ち見もありました。

小会場前通路の様子


どの会場でも wifi (部屋によっては非常に弱かった) と電源は確保されてて、何時間でも戦えます。Rails 開発相談室のようなところが用意されていたり、ロビーや廊下で PC に向き合ってる人がけっこういたり、セッション時間中でも会場の外で何かやってる人を見ることが多いかなと思います。正直なところ、4 日間 5 つの部屋でずっと何かしらやってて、ずっと聞いてるとすごく疲れるので、適度な休憩は必要です。

プログラム自体は Rails の中の人のぶっちゃけトークがあったり、初心者向けの部屋が用意されててハンズオンをしていたりと、Rails に関係あるものは何でも来い! という内容で、3 年前に比べると (当時はほとんど内容を理解できなかったにしても) バラエティーに富んだ構成という印象を受けました。 でも実は、わたしの英語・技術レベルでは、今回もリアルタイムで内容を全部は理解できませんでした。RailsConf も confreaks に発表者のスライドと一緒にビデオがあがっているので、また見直したりして Minami.rb でも取り上げたりできたらいいなと思っています。

メイン会場の雰囲気


あとは、RailsConf ではスポンサーのブース巡りも楽しみの1つです (主にノベルティをもらうためにw)。今年のブースは 10 社ぐらいで昼食会場のすぐ横にあり、休憩時間はいつも盛況でした。セッション時間中でもどこかのブースのソファーでくつろいでる人もいました。

それから、通路にはその日のスケジュールや Job Board、BoF スケジュールがあったんですけど、Job Board がもう貼りきれないぐらいいっぱいだったので、お仕事を探している方、アメリカへ行かれてはいかがですか?

お仕事あります


アメリカ・ポートランドという街

街の周りは緑が多く、遠くには雪をかぶった高い山が見え、自然に囲まれた印象を持ちつつ Convention Center から川をはさんだ向こうにはダウンタウンもあって、都会と自然とどちらの面もある落ち着いた街でした。 路面電車が縦横無尽に走っていて乗り方も難しくないので気軽に出かけられます。(わたしがそれに気がついたのは RailsConf が終わってからでしたが。。。)

松田さん (@a_matsuda) に紹介してもらったポートランド在住の "Railer" に名所をいろいろ教えてもらったのですが、英語疲れもあってあまり遠出はできませんでした。 ダウンタウンにある各国料理の屋台のランチ box を食べたり、図書館のような陳列の本屋さんでテンションがあがったり (残念ながら技術書はあまり多くなかったです)、スーパーや調理器具の専門店をのぞいてみたりと、軽くショッピングを楽しんできました。 夕方には Bancorp Tower の 30 階にあるレストランへ行きましたが眺めが絶景でしたので、ポートランドへ行ったらぜひここで食事をしてみてください。

地上 30 階からの眺め


Seattle.rb への寄り道

公式サイト
http://www.seattlerb.org

ビルの入口にこれだけ貼ってあった


最初から Seattle.rb に行くことは決めていたので、RailsConf 中で (また) 松田さんに Aaron Patterson (@tenderlove) さんを紹介してもらって、万が一たどり着けなかったときの連絡先を確保しました。 それで、前日に、
私 :「参加申込とか必要ですか?」
Aaron:「要らないよ。」「もし話たいことあったら (トークイベントだから) LT できるよ!」
私 :「そんな、(ヾノ・∀・`)ナイナイ」
と一度は答えたものの、ここまできて LT のチャンスがふってきて、これはやらないとダメでしょ! と思いなおして、
私 :「やっぱり LT します!」
と、LT の機会をいただいて、初英語 LT デビューをしてしまいました。 内容は、日本の Ruby コミュニティーもたくさんあるよ、来週は RubyKaigi もあるよ、日本に来るときは連絡してね♪みたいなことを話してきました (これで RubyKaigi の参加者が増えたりとかはしてないと思います)。

会場は雑居ビルの 2F で入り口がとても分かりづらく、うろうろしてるところにちょうど Aaron さんが来て中に入ることができました。今回は RailsConf の直後だったせいか、この日は参加者がとても多く、いつもはこんなにいないと聞きました。(写真をたくさん撮りたかったのですが LT の緊張でほとんど撮れませんでした)。 月初めのトークイベントの日は、発表したい人があらかじめ公式サイトで宣言していたり、その場で時間があるかぎり発表者を募ってみんなで聞くというスタイルのようです。 今回は、Leap Motion (だったと思う) の紹介や、女性プログラマーの歴史、minitest 作者による minitest アップグレード紹介など、Ruby に偏らない内容だったのが興味深かったです。 女性も数名いらっしゃいましたが、わたしの頭がもう英語拒絶状態だったため、残念ながらお近づきになることはできませんでした。

Seattle の街の様子や sunday market へ行った話、木槌で割って食べたカニの話は、また別の機会にしたいと思います。

Space Needle から Seattle の眺め


旅のその後

今までいろいろなカンファレンスに参加してきましたが、どこでもそれぞれ趣向が違ってて面白いです。 今回も英語力不足で聞き取れなかったこともたくさんあるし、疲れてヘトヘトになってしまってカンファレンス後の企業主催の drink up 等に参加できなかったり、いろんな人に話しかけられなかったことを差し引いても、すごい人がたくさんいて刺激を受けたことは 3 年前と同じでした。

でも、正直に言うと「また行こう」という気持ちは今はありません。 今回カンファレンスに参加して気がついたことは「私が目指すのはここじゃない、日本にいてもできることはたくさんある。」ということでした。 確かに、カンファレンスに来れば Agile の大御所や、有名サイトや gem の中の人に会うことができ、github 上や skype のような online でお話するのとは違ったインスピレーションをもらうことができます。 そういうこととは別に、今自分が置かれている環境で、どうして Rails を使うようになったかの原点に帰るきっかけになりました。

私は 100% プログラマではありません。職場 (学校関係) の経理担当は私だけですし、学校のイベントがあればカメラマンでも何でもします。こういったごく普通の職場では、この記事 (るびま全体) を読むみなさんが思っている以上にパソコンのことを知らない人ばかりです (例えば、ブラウザて何? 右クリックてどうするの? というレベルです)。そういう同僚のための快適な環境を作るために、もっとやることはたくさんあると再認識しました。 技術的な話だけであればどこにいても情報を得ることができるので、そんなに遠くまで行く必要はありません。 そういった意味から、今後、私がカンファレンスや勉強会に参加する機会は減ると思いますし、主催する Minami.rb の運営も変わってくると思います。

☆ ☆ ☆

この記事では海外カンファレンスのほんの一部だけを紹介しましたが、とても全部をお伝えしきれません。 もし少しでも行ってみたいという気持ちがあれば、ぜひ行ってご自分の目と耳で体験してきてください。 カンファレンスに参加するのにプログラミングのレベルは関係ありません。わたしもまだまだひよっこです。技術力だけでなく、五感の部分もたくさん楽しいことがありますから心配無用です。 できたら、現地の美味しいものを食べてくるとなお五感が刺激されていいと思います。

最後になりますが、この場をお借りして旅でお世話になった方にお礼を申し上げます。 Arek さん、ポーランドのお話ありがとうございました。ポーランド料理美味しかったです。 Seattle.rb のみなさま、わたしのつたない英語の LT を聞いてくださってありがとうございました。 LT のチャンスをくれて応援してくれた Aaron さん、ホントにありがとうございました。前より少しだけ英語に自信が持てるようになりました。 RailsConf でいろんな人とつないでくれた松田さん、お世話になりました。松田さんがいなかったら、アメリカ滞在をなんとなく過ごすだけだったかもしれません。

そして、この記事を最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。

p.s.写真はもっとたくさんありますので、よかったらご覧ください。つ flickr

著者

つじたさとみ (@satomicchy)。大阪府在住。Minami.rb 主催。Ruby 歴 (主に Rails) 4 年目。前職のデジタル回路 (主に FPGA) 設計は丸 9 年。現在は日本語学校事務員。主に経理をやりながら学生管理システムを Rails で構築。このごろ、バラバラに稼働していた古い学生管理システムを一気にバージョンアップさせ、あまりの機能と要望の多さに溺れそうな日々。ブログもまれに書いてます。

Zuletzt geändert:2013/07/31 22:40:06
Stichworte:
Referenzen:[Rubyist Magazine 0043 号] [0043 号 巻頭言] [Rubyist Magazine 九周年] [分野別目次] [各号目次]