C 十字軍現る!

はじめに

(編集: ko1)

真っ赤なRuby 仮面にう〜けて (略) ゴォ〜! ゴゴォ〜! (略)

C十字軍現る!

書いた人: シャア・アスナドナイ

ここは俺入幼稚園。今日もかわいい子どもたちがオルガンに合わせて歌ってい る。と、そのとき突然、

シピピピピ〜!

「きゃ〜っ! せんせー、たすけて〜っ!」

「な、なんですか、あなたたちは?!」

「我々はC十字軍なり! 我が軍は常に人手不足なり。よってこのチビッコたち を我が軍の幹部候補生として召しかかえるなり!」

「あ〜れ〜」


「またカレー食べてるのか、ブラウン。そんなんだからお前は痩せないんだ ぞ!」

「いいんですぅ。カレーを食べ終わった後のコーヒーがまた格別なんだなぁ、 これが」

ここは俺入町にある喫茶店、『喫茶・らむだ』。いつもの常連たちが暇つぶし に集まっていた。と、そのとき、BGMの音楽が突然途切れ

ビーッ! ビーッ! ビーッ!

「緊急事態発生、緊急事態発生。俺入幼稚園に賊が侵入し、園児たちを連れ去っ た模様。繰り返します。緊急事態発生・・・」

「お?! よし! みんな出動だ!」

「ラジャーッ!」


1台のジープが幼稚園の前で止まった。

「レッド、俺入幼稚園に着いたわ。」

「よし。ピンクは賊の手がかりがないか調べてくれ。」

「じゃ、ヒストリー能力を発動するわね。コントロールピィーッ!」

「どうだ? 何か見つかったか?」

「あら? これ、何かしら?」

ピンクが拾い上げた物体は何やら網のような形をしていた。

「う〜ん、ちょっと分からないな。よし。研究所に行って見てもらおう。」

「ラジャーッ!」


「葉介ハカセー! 葉介ハカセー!」

「なんじゃ、そんなに大きな声を出さんでも聞こえとるわい。」

「これ、一体何でしょうか?」

「どれどれ。ふ〜む。これはコアじゃな。これを解析すれば賊の行方が分かる じゃろ。ちょっと待っておれ。」

といって博士は研修室に入っていった。

しばらくしてガチャッとドアが開き

「おい、レッド。分かったぞ。比屋山じゃ。」

「え? ひやさん?」

「昔は庵治山と呼ばれておった山じゃよ。」

「あ! あじさんでしたか。どうもありがとうございました!」

「こちらピンク。ホワイト、ブルー、ブラウン、聞こえる?! 比屋山へ急行よ!」


ここは比屋山にある賊のアジト。

「いいか、チビッコども! 今日はテンプレートの勉強だ! これができないと 立派な幹部にはなれないぞ!」

「ウエ〜ン、ママ〜、帰りたいよ〜」

「ええい、うるさい。とっとと始めるぞ・・・ゲフッ?!」

ドサッ

「あ、おにいちゃん、おねえちゃん!」

「みんな無事か! もう大丈夫だぞ!」

しかし、すぐに異変に気づかれてしまった。

「侵入者だ! 警報を鳴らせ!」

秘密基地に警報が響き渡る。

「さ、みんな、こっちから逃げるのよ。」

「待て〜」

C十字軍の兵士が子どもを引き連れた2人の前に立ちはだかる。

「こいつらはオレが引き受けた。ピンクはチビッコたちを早く」

「レッド、すぐ戻ってくるわ」

侵入者の存在を知らせる警報がけたたましく鳴り響く中、孤軍奮闘するレッド。

そこに男の影が

「何を騒いでいるなり!」

「あ、元帥」

「なに? 元帥? 貴様、何者だ!」

「ほほお、よくぞこの秘密基地を突き止めたなり。その苦労に報いて名乗って やるなり。我こそC十字軍のビヨーン元帥なり!」

「びよ〜ん元帥?!」

「こちらが名乗ったのだから、そちも名乗るなり。そちは何者じゃ?!」

「お〜い! レッド、無事か!」

「おお、ブルー、ホワイト、みんあ来てくれたか。よし、みんな、変身だ!」

「ラジャーッ!」

5人が右手を掲げるとその指に光る宝石がまばゆいばかりの光を放った!

「ルビーレッド!」

「パールホワイト!」

「ブルーパイソン!」

「ジャバブラウン!」

「ピンクコーン!」

「5人合わせてLL戦隊、ゴランジャー!」

「む、ゴランジャー?」

「いくぞ! ビヨーン元帥!」

「くっ、何をしておるなり。やっつけるなり!」

シピピピピ〜!

ゴランジャーと手下どもとの闘いが始まった。しかし、5人集まったゴランジャー に敵はいない。一人また一人と手下どもが倒れてゆく。

「むぅ。なかなかやるなり。最終兵器出動なり!」

グゴゴゴ・・・

元帥のかけ声がかかるやいなや、秘密基地全体が揺れだした。

「レッド、ここは危険だわ。脱出しましょう!」

「よし! 脱出だ!」


秘密基地を揺らした振動は徐々に大きくなり、比屋山をも包み込んでいく。

「みんな、無事か!」

「あ、あれは?!」

ピンクが比屋山を指差したとき、山の尾根が2つに割れ、巨大な怪獣型ロボッ トが姿を現したのだ!

「はははは。これこそ我がC十字軍が誇るモッジラなり! さあ、ゴランジャー を踏み潰してしまうなり!」

「や、やばい!」

怪獣型ロボットはその巨体からは想像できないスピードで迫ってきた。そして 足を高く上げ、一気に踏み潰そうとする。その足から必死に逃れるレッド。そ のとき空から声が聞こえてきた!

「レッドーッ! 早くこっちに乗って!」

レッドが空を見上げると、虹色の翼を持つ飛行機が近づいていた。

「おお、ホワイト! 助かった。トーッ!」

一同が飛行機に飛び乗ると、ホワイトが操縦桿を操り、間一髪のところでモッ ジラの足をくぐり抜けた。

レッドが席に着き尋ねた。

「ホワイト、これは?」

「ふふ、葉介博士が開発してくれた戦闘機です。その名もアパッチ号!」

「おお! で、なんでブルーはブンむくれてるんだい?」

「今どきアパッチじゃねーって」

「はは。まぁ、そういうなって。そんなことよりピンク、モッジラの弱点をス キャンしてくれ!」

「ラジャー。あら、意外と大きな穴があるわね。あのデベソの奥に胃に当たる 場所があって、そこに攻撃を集中すれば破壊できそうよ。」

「よし! ブルー、頼むぞ!」

「任せとけって」

ブルーがデベソに照準を合わせ光線を発射した!


巨大ロボット、モッジラの操縦室は、突然現れたアパッチ号に混乱していた。

「こしゃくなり。うるさいハエを焼いてしまうなり!」


モッジラの口から灼熱の炎がアパッチめがけて延びていく。アパッチ号がそれ をヒラリヒラリとかわしながらモッジラのデベソに向けて光線を放つ。

「攻撃出力全開! ストマックオーバフロー攻撃!!」

アパッチの放つ光線が一層輝きを増し、モッジラのデベソが真っ赤に光りだし た。と、その途端

バーーンッ!

モッジラが粉々に砕け散った。

「やった!」


「覚えておくなり〜!」


ようやく俺入の町に平和が戻った。幼稚園にはかわいい子どもたちの歌声が再 び戻ってきていた。そして、あの5人の若者たちは、またいつものように喫茶 店に集まっていた。

「おい、ブラウン、今日はコーヒーだけか?」とレッドの驚いた声。

「へ〜、珍しいことがあるもんですね」とホワイトがからかう。

「ブラウンもちょっとは痩せたほうがいいからな」とブルーが皮肉まじりに。

「昨日の戦闘からずっとこうなのよ」とピンクが心配そうだ。

「どうしたんだい? ブラウン」

するとブラウンが

「いやね、ビヨーン元帥のことが何だか気になってね・・・ なんか、他人に 思えなくってさ・・・」

「え?」

「はは、忘れてくれよ。多分気のせいさ。カレーでも食べて元気出すよ。マス ター、スキーマカレーちょうだい!」

するとマスターが顔をあげて

「何度いったら分かるんだい! うちはスキームカリーってのが正式名称なん だからね!」

「あははは」


LL戦隊ゴランジャー

※諸般の都合により削除しました(るびま編集部)

シャア・アスナドナイ

おわりに

(編集: ko1)

次週、「コボラの逆襲 ゴランジャー危機一髪」をお楽しみに!

著者について

秘密。