0007 号 巻頭言

日本Rubyの会一周年に向けて

Rubyist Magazine 第 7 号をお届けする。

今号は、相変わらずの長さを誇っているインタビュー、 「Rubyist Hotlinks」 は江渡浩一郎さんの後編 (前号でフォーマットの工夫の意見をいただいている。 今回は反映できなかったが検討中である)、 CGIKit2 で実用アプリケーションを開発する 「CGIKit2 によるリファレンスマニュアル作り」、 今号から始まった「標準添付ライブラリ紹介」の初回として Blogger API を例に、 Ruby 用 XML-RPC バインディング である XMLRPC4R を紹介する 「標準添付ライブラリ紹介 第 1 回 XMLRPC4R」、 久しぶりの登場となる、Windows での Ruby のコンパイルを試みとして、 今回は拡張ライブラリについて説明する 「build Ruby on Windows 第 2 回」、 RD の書き方のうち、インラインについて説明する 「RDでも書いてみようか 第 2 回」、 Win32OLE について、今回はあまり知られていない Outlook との連携について解説する 「Win32OLE 活用法 第 5 回 Outlook」、 YARV に先立ち、 VM 一般について解説する 「YARV Maniacs 第 2 回」、 そして 「ニュース」 に 「イベント情報」 と、 今回も充実した内容でおくる。


さて、 日本 Ruby の会も、今年の 8 月で設立満一周年になる。 長いようでも短いようでもあった一年だが、 曲がりなりにもここまで活動を続けてこれたのは みなさんのご協力のおかげである。大変感謝している。

設立時に懸念していたことがある。 Ruby の会の存在が形骸化してしまうことだ。 Ruby の会のような集まりは、その活動に関して 特に制限がないため、何も活動しないからといって 大きな問題、 例えば経済的な問題が発生したり、あるいは Ruby の開発に 支障が出たりする、といったような問題が 発生することはあまり考えにくい。 それゆえに、事実上活動停止状態になってもそのまま 放置されてしまう恐れがある。 それなのに、名前だけ団体が存在しているようになって しまうと、同様の活動を後発で立ち上げる人々の 邪魔にしかならないのではないか、という懸念があった。 そのようなことを避けたかったのである。

そのため、会則に解散についての条項を加えた。 あとから参加された方がどのくらい気づいているか分からないが、 日本 Ruby の会は、会則の第 13 条により、何もしなければ 発足後一年で自動的に解散するようになっている。 こうしておけば、一年後には嫌でも活動を振り返り、 会の存在意義について再考せざるを得なくなるだろう、と いう目論見だった。

今のところ、私自身はもう一年継続する気が満々なので、 これまでの活動をまとめた資料を作り、理事はもちろん、 会員の方々にも見ていただけるよう、公開する予定である。 それをもとに できれば会員の方々との話し合いと意見聴取を行う場を設けたい と考えているが、これはまだ未定である。

もっとも、当初予定していた活動について、実行できたこともあるが、 実現できなかったことも多い。

一つは寄付の問題がある。 Ruby の諸活動のうち、金銭が必要になるものについて、 それを賄うために寄付金を募ろうという話は以前からあった。 そのための母体として Ruby の会を使う、という考えがあったが、 まだ実現できていない。 もっとも、これはお金の集め方と使い方を練り、 必要なドキュメントを揃え、口座を公開すれば それほど時間がかからずに実現できるのではないかと 考えている。

もう一つは Web サイトである。www.ruby-lang.org は あまり更新が活発に行われていない。もちろん Web サイトの 更新よりも Ruby そのものの更新の方が重要なのは当然だが、 状況に応じて機敏に対応できると、 使われる方の士気に関わってくるところもあるだろう。 いずれにしても Ruby ユーザの方が不便を強いられるのは 意図するところではない。 そんなこともあって、リニューアルさせるためのプロジェクトを 立ち上げたのだが、残念ながら今のところ開店休業状態である。 現状では大きな変更は難しそうであるが、既存のページの整備くらい までは手をつけたい。 なお、大きなリニューアルは海外の方で行われている VIT (Ruby-Lang 2005 Redesign Blog) という活動がある。そちらから出てきたものをベースに できるかとも考えていたのだが、VIT の方も いくつかデザイン案 (これはなかなか優れている) が 出てきたものの、あまり活発ではない。 こちらとの連携も今後の活動に委ねられるだろう。

他に実行したかったものとしては、Ruby のみのイベントの開催があった。 しかし、今のところ独自開催は難しそうである。 こちらも次年度へ持ち越しになるだろう。 ともあれ、 次期の活動につなげるためにも、残り少ない期日にできるだけの 成果を残しておきたい。

(るびま編集長 高橋征義)