書籍紹介『Rubyist Magazine 出張版 正しい Ruby コードの書き方講座』

紹介文:青木峰郎

書籍紹介

本誌の人気シリーズ「あなたの Ruby コードを添削します」が本になりました。 え、もう知ってるって? そりゃそうですねえ。 そもそも 3 月に出版しときながら 9 月? いや 10 月か? まあどっちでもいいけどそんな時期に紹介したって、 下手すると小さい本屋からは■■されてたりして。

添削の意義

そんな危険なフリで始まった書籍紹介ですが皆様いかがおすごしでしょうか。 今回は『Rubyist Magazine 出張版 正しい Ruby コードの書き方講座』 を紹介したいと思います。

この本は本誌 Rubyist Magazine で連載「中」なのか連載「していた」なのか 状況がよくわからない「あなたの Ruby コードを添削します」を一冊にまとめた本です。 最近の書籍化ブームにうまくのっかった一冊と言えるでしょう (嘘です)。

添削連載と言えば、青木が毎回偉そうに他人のプログラムを添削しまくる連載です。 あらためて考えてみると、これはなかなか珍しいことではないでしょうか。 仕事でプログラミングをしている人ならコードレビューをうける機会も多少はあるのでしょうが、 それ以外の場面では他人が自分のコードを詳しく検討することなどほとんどありません。 ましてやそのレビューをウェブ雑誌や書籍のような公開の場に出してしまうということは ほとんどないと言ってよいでしょう。

しかし実際に添削をやってみると、これは思いのほか効果的だということがわかります。 なぜなら、ひっかかっているところは誰でもだいたい同じだからです。

例えば protected の意味を勘違いしているとか。クラスで分岐しまくりとか。 コーディングスタイルがすぐ変わるとか。気軽に継承しすぎとか。

こういうありがちなミスがあらかじめ具体例とともにリストアップしてあれば、 それぞれ失敗してそれぞれ修正するという無駄を省くことができるでしょう。 そんな夢のアンチョコがまさにこの「るびま本」なのです。 こんな本が 10 年前に出ていたらわたしもずいぶん楽になったのになあ、と思います。

初心者にはプログラミングについて考えるきっかけとして、 上級者には酒のんでツッコミ入れる材料として、 活用していただければ幸いです。

コラムにも注目

ところで、書籍版独自の特徴として、 本書には豪華メンバー陣によるコラムが掲載されています。 まつもとさん、たださん、咳さん、角谷さん、西山さん、ささださんという、 「このメンバーを集めた時点で勝ち」のラインナップを揃えました。 タイトルは以下の通りです。

  • まつもとゆきひろ「美しいプログラム」
  • ただただし「3 タブ同盟は滅びぬ。何度でもよみがえるさ!」
  • 関将俊「わたしの開発スタイル」
  • 角谷信太郎「『動作するきれいなコード』のために」
  • 西山和広「ソースコードの空白を添削する」
  • ささだこういち「YARV 時代の Ruby スクリプト」

コラム間で微妙に話題がつながっているあたりが特に見どころです。 こちらもぜひお楽しみに。

読者プレゼント

毎日コミュニケーションズの御好意により、 『Rubyist Magazine 出張版』3 冊を Rubyist Magazine 読者にプレゼントいたします。

詳細は 0021 号 読者プレゼント を参照してください。

書誌情報

書名 Rubyist Magazine 出張版 正しい Ruby コードの書き方講座
著者 青木峰郎
出版社 毎日コミュニケーションズ
定価 2,730 円 (税込)
版型 B5
ページ数 256 ページ
発売日 2007 年 3 月 27 日
ISBN 978-4-8399-2320-4
出版社のサイト http://book.mycom.co.jp/book/978-4-8399-2320-4/978-4-8399-2320-4.shtml
サポートサイト http://i.loveruby.net/ja/rubimabook/
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