0025-RubyNews

編集:うえだ、しまだ

Ruby 関連ニュース

Ruby 1.9.1 リリース (1 月 31 日 )

Ruby 1.9 系統で初の安定版となる 1.9.1 のリリースが [ruby-list:45836] にてアナウンスされました。1.9.1 のソースコードは以下の URL から取得することができます。3 種類のフォーマットから選んでください。

また arton さんによる Ruby-1.9.1-p0のMSWin32版インストールパッケージ のリリースも [ruby-list:45841] にてアナウンスされています。

ちなみに 1.9 系リリースマネージャの Yugui さんはアナウンスの中で以下のように述べています。

Ruby 1.9 は Ruby の新しい系統です。近代的に、高速に、文法も明確に、多言語化 され、多くの改善がなされました。Ruby 1.8 系統は 2003 年以来利用され、多くの 素晴らしい製品を生み出しました。本日、1.9 の歴史が始まります。

Ruby 1.9.1 に関するバグや問題を発見した方は、公式の課題追跡システムである Ruby Issue Tracking System にてご報告をお願い致します。なお 1.9.1 の使用およびバグ報告の際には事前に 1.8.7 以降の主な変更点 もご参照ください。

1.9.1 にも対応した「Ruby リファレンスマニュアル刷新計画」 2009-01 分のスナップショットリリース(1 月 29 日)

Ruby の完全な日本語リファレンスを作ることを目標に活動している Ruby リファレンスマニュアル刷新計画プロジェクトにより、 新リファレンスマニュアルの 2009-01 分のスナップショットリリースの公開が [ruby-list:45832] にてアナウンスされました。

今回から 1.9.0 ではなく 1.9.1 を対象としたものの、ほぼ網羅された 1.8.7 と比べると対応範囲が限定されているとの事です。しかしながら使用する Ruby のバージョンのリファレンスが表示されるようになったり、各メソッドに対して引数と返り値に関する説明(型や使い方)が付加されたり、と以前よりも更に充実した内容になっています。

なお [ruby-list:45832] にて「4月末に 1.9.1 にほぼ対応したものをリリースしたい」と述べられています。

Ruby アソシエーションが運営委員会を設立( 1 月 26 日)

Ruby アソシエーション はエンタープライズ分野において Ruby を安心して使える環境を整備することを目的として「 Ruby アソシエーション運営委員会」を設立したことを公表しました。Ruby アソシエーション運営委員会は、Ruby アソシエーションの組織力を強化し、今後の課題解決に向け積極的に活動することを目指すとのことです。

1月 26日現在、Ruby アソシエーション運営委員会のメンバーは伊藤忠テクノソリューションズ株式会社サン・マイクロシステムズ株式会社楽天株式会社株式会社イーシー・ワン株式会社ネットワーク応用通信研究所 の 5 社により構成されています。

RTtool 1.0.3 リリース( 1 月 25 日)

シンプルな作表ツール RTtool のバージョン 1.0.3 のリリースが [ruby-list:45807] にてアナウンスされました。

本リリースでは HTML 出力時のクロスサイトスクリプティング脆弱性の修正と Ruby 1.9 への対応が行われたとのことです。

Rails 3 にて Merb が Rails に統合 (12 月 23 日)

2008年 12 月 23 日、Ruby on Rails の開発者である David Heinemeier Hansson、Merb の 開発者である Ezra Zygmuntowicz の両氏により、Rails 3 において Rails に Merb が統合されることが発表されました。

この統合により、Rails には以下のようなメリットが生まれるとのことです。

  • フルスタックであり続けるものの、最小構成のアプリケーションの作成も可能に
  • Merb の高速化技術の導入によるパフォーマンスの最適化
  • デフォルトのコンポーネント (Test::Unit、ActiveRecord、prototype.js など) 以外に RSpec、Data Mapper、JQuery なども選択可能に
  • テストを備えた公式 API を定義することで、バージョンアップに伴うプラグインの動作不良などを防止

逆に Rails 2 との非互換は避けられないデメリットもあるようですが、David は「非互換は極力少なくするように努力し、Rails 2.x から Rails 3 への移行が簡単に行えるようにする」と述べています。

なお Rails 3 は 5 月 4 日 〜 7 日にアメリカ・ラスベガスで開催される RailsConf 2009 でベータ版として公開される予定です。

Ruby アソシエーションが認定システムインテグレータプログラムを開始( 12 月 15日)

Ruby アソシエーションは Ruby によるシステム開発の普及を目指すことを目的として「 Ruby アソシエーション認定システムインテグレータプログラム」を開始しました。 認定された企業は Ruby の高い技術を持った企業として Ruby アソシエーション公式サイトで紹介されるとのことです。プログラムの詳細は Ruby アソシエーション認定システムインテグレータをご参照ください。

Ruby-LAPACK 公開( 10 月 12 日)

LAPACK を Ruby から操作するためのライブラリ Ruby-LAPACK の公開が [ruby-list:45546] にてアナウンスされました。

Ruby-LAPACK は行列計算用の FORTRANライブラリ LAPACK のサブルーチン/関数の 1:1 ラッパーであり、テストが不十分なものの興味がある方には是非お試しいただきたいとのことです。

Rumix 0.1 リリース( 10 月 7 日)

Windows 用のインストーラ付き Ruby パッケージ Rumix のバージョン 0.1 のリリースが [ruby-list:45542] にてアナウンスされました。

同様のパッケージである One-Click Ruby Installer と比べると、インストーラや同梱のリファレンスが日本語であること、コマンドラインシェル NYAOS が同梱されていること、また環境変数 RUBYOPT に -rubygems を追加しないこと、などの特徴があるそうです。

なお 1 月 30 日にバージョン 0.2 が公開されましたが、 [ruby-list:45840] によれば「同梱されている ruby のバージョンが古かった(1.8.4)ため、1.8.7 に差し替えた」とのことです。

「Rubyの国際標準化に関する調査の請負契約」の採択企業に NaCl が決定(10 月 2 日)

情報処理推進機構 オープンソフトウェア・センターが実施した「Rubyの国際標準化に関する調査の請負契約」に係る公募(企画競争) に関し、株式会社ネットワーク応用通信研究所(NaCl) が採択企業となりました。

この件については NaCl の前田さんが [ruby-list:45591] で解説されていますが、”公式にドキュメント化された言語仕様がないことが公的機関などでの Ruby 導入の妨げとなる場合があり、それを解消するために公募が行われた”とのことです。

Ruby-GNOME2 0.18.0 リリース( 10 月 1 日)

GNOME-2.x 開発環境を Ruby から利用するための拡張ライブラリ Ruby-GNOME2 のバージョン 0.18.0 のリリースが [ruby-list:45522] にてアナウンスされました。

本リリースでは前バージョンまでに存在したメモリリークの修正と実験的なパッケージ(Ruby/GtkSourceView2, Ruby/GooCanvas)の追加が行われたとのことです。

注:プロジェクトのニュース によると、2009 年 1 月 26 日現在の最新バージョンは 0.18.0 のバグ修正版である 0.18.1 です。