2011年7月3日(日)、松江Ruby会議03が開催されました。 島根大学のプロジェクトとして2009年に開催し、産官学で取り組んだ2010年の開催を経て、今回はスタッフを公募し、コミュニティを中心とした開催となりました。
実行委員代表の高尾宏治氏より開催の挨拶および、今回の松江Ruby会議03の開催についてのお話がありました。 またドラえもんのうたを使ったゲームを会場全員で行い、参加者の気持ちが和らぎました。
まつもとゆきひろ氏のご都合により、イベント当日は出席が難しいとのことでしたので、事前にビデオ撮影したものでの基調講演でした。
Rubyアジャイル開発のユーザー側、システム会社側の両面からのレポート・開発側の感想として、本でいくら読んでも実感が湧かなかったことも読むより実践が重要だと。また、Rubyは生産性向上のツールが豊富だったので 良かった。(鶴原氏) ・システム部門の改革。Rubyアジャイルを通じて、ビジネス価値を創造できる。(宇畑氏)
会場には、アジャイル侍 角谷さんを迎えて贅沢な講演でした。 最後に、「成功の原因は、互いにお金のやり取りが無かったからか?」との質問があり、逆に現場レベルで、コミュニケーションを密に取ることで、アジャイルプロジェクトを成功に導くのではと感じました。
仮想マシンを使って、ブラウザ経由で多数のOSを扱えるテストベッドサーバに関する事例紹介でした。 OSS開発でよく挙がる問題の一つに「多数のプラットホーム上での動作検証」があると思いますが、個人ではどうしても限界のあるこうした問題への一つの解決策になるのでは、と思いながら聞かせて頂きました。 実現に当たって注意した点として、「枯れた技術を採用する」ということを意識していた、という説明が印象に残っています。
2011.07.16より開催されるRuby会議2011において、発表予定の4つのプレゼンテーションの概要の発表がありました。
機械のトラブルがありましたが、最終的に発表ができました。並列マークの概要、制限についても言及がありました。ユニークなイラストも手伝って GCがより身近なものになったのではないかと思います。
本番の 2 週間も前であるため、残念ながら資料が間に合わなかったとの事でしたが、それをもネタにする原氏らしいスライドの作成で場が和みました。 今回は本番の代わりに氏の提案する Enumerable.lazy.map の紹介がありました。 これはきっと、より直感的なコードを書く技術を身につける事が 10 年後にはRuby マスターになるための道筋という事なのかもしれません。
人間にとってやさしくある(直感的である)コードを書くためには、実は細部は複雑で、それを誤解のない文章にするから Ruby の JIS 規格は難しいようです。 そんな複雑な機能の仕様は必要な部分だけを読む事が重要との事でしたが、実際に実行しながら読む事で、慣れれば案外読みやすいのかもしれないと思いました。
MacRuby が Mac で Ruby や Ruby on Rails を動作させるのには越えるべき山がまだ沢山あるようです。ネイティブの機能を多用して MacRuby が完成すれば、cRuby との性能比較などにより、お互いが進歩する事が理想と感じました。
当日受付も含め、10名の参加者によるライトニングトークスが行われました。
高尾宏治氏より、今回の開催の振り返り、そして来年の松江Ruby会議に向けての思いなどのお話があり、松江Ruby会議03を閉会しました。