東京 Ruby 会議 11 運営記録

書いた人:笹田耕一(東京Ruby会議11実行委員長)

はじめに

本稿は、2016/05/28 (土) に行なわれた東京 Ruby 会議 11(長いので、以降、東京11)の運営の記録です。

東京11は、全部あわせて 400 人程度が参加し、総支額出約 460 万円(凄い額ですよね)の、そこそこ大きなカンファレンスでした。ただし、1日開催、シングルトラックということから、運営規模はだいぶ小さく済みました。

こういうカンファレンスはどのように開催するのか、参考になれば良いと思い、東京11の運営の記録を公開します。あんまり、カンファレンスの運営を、具体的にどうしていたか、細かい話は聞かない気がするんですよね。本当は RubyKaigi に関わっていたときに(とくに 2006 年の初回)、いろいろ公開したかったんですが、力及ばず、公開できませんでした。そこで、東京11では色々記録をとりながら進めていました。東京11のようなカンファレンスがどの程度あるかどうか、わかりませんが、一例として。

時系列での記録

手元の記録に、ちょっとコメントをつけて並べておきます。 いい加減に書いてあるところも多く、また抜けているイベントもありますが、ご了承下さい。

  • 2015/10/08 開催を思いつく
    • カンファレンスのグランドデザイン、趣意書、基調講演、招待講演の調整(だいたい、数日で fix)、スポンサーの募集要項のラフを作成
  • 10/09 相談
    • 日本Rubyの会 高橋会長に相談
      • 地域Ruby会議として、どういう立て付けがいいか、とか、集金方法について相談。
    • 秋葉原ダイビルに電話し、空き状況を確認。基本、電話するだけ。
      • 2016/05 も、あまり空いていなくて、5/28 は空いてる、らしい。さすが駅前。そのまま仮予約。
      • 後から考えると、5/28 (土) というのは運動会と被った方が多かったようで。
  • 10/26 相談その2
    • 会場に見学、仮押さえ。
    • 高橋会長に、もう一度相談。ちょうど角谷さんと卜部さんがいたので、Rubyの会の方と話ができる。
    • 某 CTO に、スポンサー設計について相談。
  • 11/07 会場に申込用紙を提出
  • 11/08 大江戸Ruby会議05 で、諸々相談。
  • 11/24 TokyuRuby会議と、日程が連続していることに気づき、色々調整
    • 土:東京11、日:Tokyu となっていた。が、まぁ連続してもいいんじゃない、ということに。にく(29)の日がここしかなかったとか。
  • 11/25 実は、当初名前を秋葉原Ruby会議と提案していたが、Rubyの会方面から「東京11」はどうか、と言われ、様々な検討の結果、東京11にする。
  • 11/27 大口スポンサーさんに話をもっていく。
  • 11/27 懇親会会場を手配。これも電話一本。
  • 11/30 懇親会会場下見。
  • 12/07 懇親会会場契約。2万円を前金として支払う。
  • 12/14 名前を東京11に決める。
  • 12/14 以前利用した印刷屋さんと相談。でも、高そう(結局使わなかった)
  • 12/14 ウェブサイト準備。GitHub pages + jekyll。凄い便利。
    • まだ公開しない
    • でも、GitHub の更新履歴をウォッチしている人から、流出していたっぽい。ヒミツにするのは難しいな。
  • 12/15 話をしていたスポンサーさんに、正式にスポンサーメリットを伝える。
  • 12/21 正式にウェブページを公開。
  • 12/21 税金関係が気になって色々聞いたり調べたりする。
  • 12/24 大口スポンサーが一社決まる。速い、凄い。
  • 1/?? 主にスポンサー対応ばかりだった。
    • スポンサーが決まったり決まらなかったり。
    • 外資の会社は、本社の意向で決まったり決まらなかったり。
    • 5月というのは、良い時期の会社もあれば、悪い時期の会社もある。
    • 営業に行ったりする。
  • 1/30 CFP を公開する。招待講演者をプログラム委員(PC)になっていただくよう依頼する。
  • 2/12 目標にしていた 230 万円に到達する。最終的には、400 万くらいあつまったので凄い。
  • 2/25 大口スポンサーさんに、本当にいいの? って会社に伺って聞いてみる。
    • 一応、Ruby 3 / Ruby スポンサーには、全部訪問した。
  • 2/26 お金が集まってきたので、ライブ配信、映像記録を外注できないか検討。google で一番上に出てきた http://ustream.siteplus.jp/ に頼むことに。
  • 2/?? 基調講演、招待講演の内容を考えてくれと依頼。
  • 2/29 CFP 締め切り。
  • 3/10 調整をへて、プログラム審査の開始を依頼。
  • 3/15 プログラム審査が出そろって、プログラムを埋める。
  • 3/17 スタッフのキックオフミーティングを行なう
    • といっても、4人だけ。身軽な組織。
  • 3/23 プログラムをだいたい fix する。
  • 3/27 ライブ配信の会社さんに訪問と確認。最終的に、ライブ配信+映像編集+youtube へ upload で、だいたい20万円。安い。1日開催、シングルセッションだったからだと思う。
  • 4/5 税金の扱いがわからないので、東京税理士会 で相談する。
    • 当日、アポ無しで行って大丈夫だった。30分くらい待って、相談。若い税理士の方だった。
    • 「こんなケースははじめて」ということで、色々調べて下さったんだけれど、チケット収入は事業収入になるので、人格なき社団という形で税務署に届け出が必要なのではないか、とのこと。定款が必要。
  • 4/7 税務署に相談(こっちはアポを前日にしておいた)(実は、確定申告したときにちらっと聞いたけど、忙しいから4月以降で、と言われていた)
    • 状況を相談すると、「届け出は要らないでしょう」ということになった。収益事業にあたらない。
    • これは、どのような事業を行なうかによるので、すべてがこうなるとは限らないことに注意。事前に相談しておく必要があると思われる。
    • 今回は、相談した、という記録が残るので、それも大事らしい。
  • 4/?? 銀行口座を「東京Ruby会議11実行委員会」名義で作る。税務署から、きちんと会計をするために、口座は分けておいた方がよい、と助言を受けたため。
  • 4/29 チケット発売
    • 「所属」が必須なのはハラスメントである、という意見をもらうため、オプショナルにする。「所属」の欄には、なにを書いても良い(ふざけてもよい)、という意図だったが、そう取られなかったのは失敗であった。
    • 「東京Ruby会議11 学生割引、女性割引、男性以外の割引チケット」という表現にも、色々。「多様性チケット」という意見も。
  • 5/2 当日スタッフについて、色々と声をかけたり。
  • 5/12 スポンサー各社から、ポスターに掲載するベクタデータを集める。今更である。最初から貰えばよかった。
  • 5/12 会場にお金を払う。100万円くらい。
  • 5/16 懇親会のコースを確定。
    • 7,000円/1人。参加費 5,000円で、さらに paypal 手数料など引くと 4,500 円程度の収入なので、大幅な赤字。懇親会参加者からは、一切不満が出なかったのは、お金の力。資金力凄い。
  • 5/19 ノベルティのステッカーを発注。
    • http://seal.insatsu-tatsujin.net/single/single.php こちらに依頼。
    • イラストレーターの図を送ったら、てきとうにカットする線を入れてくれた。ありがたい。ぐぐったところ、多くはイラレでカット線を入れろ(もしくは、丸とか四角とか、規定の線でカット)というところばかりで、私がイラレを持っていなかったので助かった。1,000枚で3万円弱。安い。
  • 5/19 小崎さんが仕事の都合でキャンセルとのこと。色々調整。プログラムに余裕ができる。
  • 5/21 西嶋さんに懇親会の司会を依頼。
  • 5/21 ステッカー代振り込み。
  • 5/22 ポスター印刷のために、近所の写真屋さんへ。大きなポスター(B0)もあり、高い。
    • はがきサイズの名札も印刷して貰おうと思ったけど、断られたので、しょうがないので自宅のインクジェットプリンタで400枚印刷することを決意。Word の差し込み印刷で名札作成。この辺は雑用で慣れたもの。
  • 5/24 ステッカー届く。
  • 5/24 多分、通販でいろいろ注文。
  • 5/24 前日に関係者ディナーを行なうように手配を江森さんに頼んだりして、準備。
  • 5/27 関係者ディナー
  • 5/27 参加者へスポンサーからメッセージを送る(スポンサーメリット)。
  • 5/28 東京11
  • 5/29 ぐったり
  • 5/30 スポンサー各社に請求書を送って貰う。
  • 5/31 参加者へスポンサーからメッセージを送る(スポンサーメリット)。
  • 6/?? 関係者向け実施報告資料の作成。
  • 6/14 関係者打ち上げ。スポンサーも混ざって、大人数。主に、感想などヒアリングを目的(私だけ。他の人は多分食べて飲んでた)。
  • 7/?? スポンサーからの振り込みの確認など。
  • 8/?? るびまの開催レポートと、このレポート。

こうかくと、いろいろしているような、そうでもないような…。 会場下見とか、会場との調整(メール)とか、諸々相談とか、もう少し、いや、かなりしていた気がします。あと、事前インタビューがすっかり抜けていますね…。

振り返ってみると、どのような会議にするか、という構想は初日に固まりました。そして、基調・招待講演者の方々を早く決められたので、それを裏打ちすることができた、というところだったかと思います。

今回は税務処理を適切に行なうため、「東京税理士会 納税者支援センター」というものの存在を知ったり、「税務署」で相談するのはこういうことか、という経験ができました。どちらも丁寧にご対応頂きまして、ありがとうございました。私自身は経理などの経験がなく、大変助かりました。少しでも不安があれば、相談にいくと良いかと思います。

組織運営

実行委員は、最少人数で行ないました。

  • 実行委員長 笹田
    • 下記以外全部やる人。
  • 副実行委員長 鳥井
    • 主に、笹田からの進捗報告を聞く(聞かされる)、笹田が倒れたら引き継ぐ係。
    • ロゴデザインは鳥井さん作。
  • ウェブ 西嶋さん
    • 1990年代のデザイン(笹田作)が、いつの間にか今風に変わりました。
  • ネットワーク sora_h
    • CONBU との折衝。

スポンサーからの集金は、さすがに何十万も人格なき社団に預けるのは大変だろうから、 日本Rubyの会にお願いしました。主に高橋会長に骨を折って頂きました。 今にして思えば、この辺も外注すると良かったかもしれません。 手弁当な方にお願いするのは、なるべく避けた方がお互い楽。

ロゴデザインは鳥井さんがやってくれましたが、名札製作、ポスター製作等々、デザインの仕事はどんどん出てくるので、この辺を担当を付ける、外注する、などできれば良かったです。ポスターは結局、笹田が HTML で書きました。

プログラム委員は、基調講演、招待講演の人+笹田・鳥井で行ないました。応募頂いた内容を、笹田が Google spreadsheet で共有し、プログラム委員にスコアを付けてもらいました。コメント欄をとりあえず付けておいたんですが、皆さん埋めてくれました。コメントをしたくなるんですね。

スタッフ T シャツはお馴染みの TMIX さんにご支援頂きました。ありがとうございます。実は、私貰ってないんですよね。T シャツ、すでにイッパイあるから…。

当日スタッフ(お名前略):

  • 受付 2名
  • 5F スタッフ 3名
  • るびまスタッフ 3名
  • その他その辺に居た人

手伝って下さった皆様、ありがとうございました。

心残りは、司会役を誰かに依頼できなかったこと。話の内容が理解できそうで、しかも司会やってくれそうな人を探せなかったので、結局私がやりました。何があるかわからないので、実行委員長は遊撃で動けるようにしておき、司会などはするべきではないと思います。

懇親会の司会は、西嶋さんに依頼することが出来ました。助かりました。

ポリシー

基本的に、最小人数で行なおうと思っていました。 人が多いと調整が大変なのは、皆さんご存じの通り。 今回は、私がこうやりたい、こうやればだいたい成功する、みたいな目論見があったので、この体制で十分だったんじゃないかと思います。

逆に言うと、一人から溢れるようなタスクはどんどん捨てていこう、と思っていました。

やること決まっているカンファレンスを運営するだけなら、正直そんなに人数要らないんですよね。 今回は、学会みたいにやる、というひな形があり、私はその運営に何度か携わっていたので、勝算があった、という感じです。

ちなみに、学会も、数百人程度の大きくない会議では、運営で動くのはごく少数です。その代わり、プログラム作成にはプログラム委員を設置し、多人数で決めることが多い、という経験があります。やることが決まっている事務的な話と、いろいろなアイデアが必要な企画的な話は、きちんと切り分けて考える必要がある、ということですね。

ただし、自分のアイデアが正しいかどうかをチェックするために、アドバイザーとして日本Rubyの会の高橋さん、角谷さんに色々相談させて頂きました。相談する人はもっと増やしたかったけど、なかなか見つけられなかった。

リクルーティング

人集め、難しかったです。

色々、お手伝い頂く方を募集したんですが、反響は皆無でした。人徳の無さでしょうか。 得体のわからないイベントに、よく知らない実行委員長だと、敬遠するのもそりゃそうか、という気もします。

スポンサー企業さんの中に、手伝ってくれる人居ないかなぁ、と思って、スポンサー各社さんに「誰か手伝ってくれると嬉しいな」と聞いてみたんですが、とくに反応はありませんでした。お金を出すほど興味があり、成功にも(お金を出しているのだから)興味があるだろう、と目論んだのですが、スポンサー企業としてみれば、運営をしたいわけではないので、そりゃそうか、という感じです(業務命令が出ても、お互い困りますし)。

もっとピンポイントで困っていることを依頼しないと手が挙がらないのでは、という指摘も頂きました。そうかもしれません。相談できる人は、欲しかったんだけど。

最終的に、お願いした方は、だいたい、全部名指しでお願いしたという結果になりました。さすがに by name で依頼されると、断りづらいよね。いやほんと、ありがとうございました。

るびま係の方は、応募がありました。これは、やること決まってた、わかっていたからかなぁ。

お金の話

収支

収支はこんな感じでした。

  • 収支合計
    • 収入 \6,069,868
    • 支出 \4,715,622
    • 収支 \1,354,246

約135万円のあがりです。このお金は、Ruby Association へ寄付するなど、適切な形で Ruby の進歩に役立てていこうと思います。次の会議の資金にする、という手もありますが、年度をこの金額を繰り越すためには会計処理が面倒なこと、それからそもそも、単発を意図していたので、その方針は無しで。

東京11の目標を、最初にいくつかたてていたのですが、その一つがこの「あがり」により、Rubyインタプリタ開発資金を集める、というものでした。というのも、Ruby 開発にお金が(人件費以外で)必要だ、といっても、なかなかその資金が捻出できない、という状況がありました(例えば、ベンチマーク用機材を用意する、など)。その改善ですね。

目算としては、事故などへの対処のために、予備費50万円を予算として取っておき(これくらい余裕があると、色々助かります)、何事もなければ、その50万円を Ruby 開発資金としよう、と決めていました。ただ、思ったより協賛金が集まり、また多めに見積もっていた項目も多く、最終的には100万円を超える結果になりました。

収入

  • 収入 合計 \6,069,868
    • スポンサー収入 \4,857,300
    • Paypal入金(チケット収入/懇親会込み) \1,207,568
    • 当日現金収入 \5,000

スポンサーの皆様から、大変多くのご支援を頂けることができました。本当に感謝感謝です。

チケット収入(懇親会費用含む)の割合が少ないのは、意外なところでしょうか。早期割引チケット 3,000円、懇親会5,000円という価格帯は、高いと思う人、安いと思う人がいるようで、なかなか難しい。個人的には、映画1.5回分くらいは楽しめるイベントだったんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。5,000円の懇親会は、250人の箱を用意したんですが、120人くらいで、やはり高かったでしょうか。

「学生割引、女性割引、男性以外の割引チケット」の1,000円は、価格帯としてはソコソコ妥当だったのではないかと思います。無料でも良かったのですが、有料にすることで、少しハードルを上げて、「とりあえず登録しておこう」という人を無くしたかったという意図から、有料にしました。ただ、クレジットカード必須というところで登録しづらかった方もいらっしゃったようです。

支出

  • 支出合計 \4,715,622
    • 会場費 \2,195,208
    • 懇親会 \929,234
    • 旅費 \329,576
    • 動画撮影 \201,960
    • ミーティング \513,237
    • ネットワーク \178,303
    • ポスター \93,948
    • ステッカー \29,600
    • 消耗品 \142,234
    • 振込手数料 \2,322
    • 寄付 \100,000

会場費高いですね。200万円を超えています。さすが、秋葉原駅前という一等地。

内訳を書いておきます。200万円というのは、会場の設備費+飲食物の代金の合計になります。

  • 会場代内訳
    • メインホール \ 600,000
    • プロジェクタ \320,000
    • メインホール延長(8amから) \ 75,000
    • 映像機器持ち込み \100,000
    • ネットワーク利用(2F、5F) \100,000
    • 5C \256,000
    • 5D \36,800
    • 5E \40,000
    • 5G \38,400
    • プロジェクタ(5C で利用) \50,000
    • 映像スイッチ \16,000
    • 消費税 \130,576
    • 総計 \1,762,776

実は、メインホール(400人くらい)は60万円で、そんなに高くないです。 プロジェクタ代が高いんですよね。 5C~5G というのは、小さな会議室になります。

飲食物はこんな感じで会場に頼みました。

品目 単価 個数 小計
コーヒー \300 600 \180,000
\130 480 \62,400
焼き菓子盛り合わせ \6,000 12 \72,000
お菓子盛り合わせ \6,000 7 \42,000
弁当 \1,000 40 \40,000
お茶 \100 40 \4,000
  合計 \4,00,400  
  合計(+税) \432,432  

会場経由で購入しないと駄目、ってことで、だいたい割高です。 コーヒーと水、お菓子。これはあたりでした。依頼してよかった。 休憩時間のおともによかったんじゃないかと思います。 水は大量に余りましたが、まぁ足りないよりは良かったと思っています。

お弁当も、手配して良かったです。スタッフは外に出づらいというのもあるし、スピーカーは交流ができて良かったようです。 えいやと40個手配したんですが、うまく全部はけました。よかった。

ミーティング代50万というのがでかいですが、要するに前日関係者ディナー、打ち上げ代など、関係者の飲食代です。この辺、税務署に、個人の利益供与にあたらない金額、というのを伺って(まぁ、常識的な値段というところですが)開催しています。あと特定個人向けの支出だと駄目とか、そういうのがあるそうです。詳しくは税務に詳しい方に聞いて下さい。

ネットワーク(会場 Wifi)17 万円は、CONBU さんからの実費の請求です。 普通に業者さんにお願いすると、100万円くらいかかるそうですが、それに比べると破格でした。ありがとうございます。 会場がネットワークを持っていたそうですが、不安ということで、追加でネットワークをひいたりして頂きました。

寄付10万円は、色々お骨折り頂いた日本Rubyの会への寄付になります。

だいたい、笹田が全部立て替えたので400万円くらいの立て替えになりました。 この規模になると、資金的な余裕がある程度ないとつらいかと思います。 開催月のクレジットカード払いが 80 万円という、(私としては)おかしな状況になったりしました。 そういえば、準備期間中に、家を買おうか、みたいな話をしていたんですが(結局買わなかったんですが)、ちょうど東京11のために立て替えをしていたので(まだしていますが)、頭金がやばい、みたいな話がありました。 キャッシュフローに気をつけろ、というのは本当ですね。

スポンサー

スポンサーは、Ruby 3 スポンサー(60万円以上)、Ruby スポンサー(50万円以上)、Gold スポンサー(20万円)という3グレードにしました。が、実質は Ruby と Gold でした。当初は、Silver 10 万円を用意していたのですが、集金をお願いする高橋会長に、「面倒だからやめましょう」と言われてこの種別になりました。金額について、20万が底というのは高い、という声がいくらかありました。こういう事情だったんです。出して下さってありがとうございます。

金額に「以上」って書いておけば、天井知らずで貰えるかな、と思ったんだけど、きっちり規定の金額をお支払い頂きました。つまり「以上」は無駄だった。

Ruby スポンサーのお話を聞いていると、やはりお金を出すのはタイミングが良かった、このタイミングだから出せた、というところが多いですね。協賛動機を考えれば、もっともな話ではあります。タイミングが良かったので、本当はもっと出せた、みたいな話もチラホラ。

あと、開催趣旨や講演者が良いね、だから出せました、という話は沢山伺いました。そこは計算通りです。

スポンサーメリット

メリットの設計について、何人かの方々にレビューをお願いして決めました。 好評だったメリットもあれば、なくてもよかったなぁ、というメリットもありました。

  • (1) ウェブサイトでの企業名とロゴの掲示
    • 普通の話。
  • (2) 会期中、開会・閉会でのスポンサー紹介
    • これも、普通ですね。
  • (3) 会期中、ランチ休憩前でのスポンサー紹介
    • あまりないメリットだったかもしれない。効果のほどは…?
  • (4) 会期中、休憩時間中のスクリーンでのロゴの表示
    • これは普通ですね。
    • ずーっとロゴを表示する(スライドショーを繰り返す)方法がわからなくて、結局 PDF のページを沢山コピペして、自動スライドショーにする、という苦肉の策を行ないました。いったいどうすればよかったんでしょうか…。
  • (5) 会期中、講演ホール隣のホワイエでのポスター展示
    • 東京11のメリットの目玉と考えていました。別のカンファレンスのスポンサー対応の評判を聞くと、もっと露出をあげてくれ、という話があったので、できればブースで、という話だったので、じゃあこういうのを作ろうと思って、作りました。
    • 本格的なブース設営は、場所とお金と労力の関係から無理だと思って、ポスターを貼る場所+机を用意しました。
    • 好評かなぁ、と思ったんだけど、実はスポンサーからの反応は凄く薄くて、「面倒だからやらない」というところが多かった。
    • うまく使っていたところは、うまく使っていらっしゃったんじゃないかと思います。参加された方、どうでしたかね?
  • (6) 会期中、壇上でのスポンサーアピール
    • これも普通ですかね。Gold スポンサー 12 社だったので、そこは各社 30 秒となってしまいました。
    • Ruby スポンサーは 5 分。5分間会社紹介を聞くのは(個人的には)つらいので、できるだけ技術的な話をして下さい、とお願いしておりました。
  • (7) 会期中、ノベルティ配布
    • これも普通ですが、このメリットは、メリットと明示するのはちょっと面倒だったかもしれません。
    • というのは、ふらっと会社のノベルティ持ってくる人が居て、その扱いをどうするか、と考えなければならないからです(参加者的には、ノベルティが増えることは、悪いことでは無いが、スポンサーとしては、それ以外がメリットを享受するのはどうなの、となる)。
  • (8) 本会の入場無料
    • これも普通ですが、懇親会別にしたら、チケットの扱いが面倒になってしまった…。
  • (9) 会期前・後に参加者へメールにてメッセージ送信可能
    • あまり活用されているスポンサーは居なかったですが、意外とリーチしている感触がありました。
  • (10) 配付ノベルティへのロゴ添付
    • 結局できなかったなぁ。その代わり、頑張ってロゴ貼ったポスター作りました。
  • (11) その他オプション
    • Ruby スポンサーからはワガママを聞くよ(例えば、前夜祭の開催など)、と言っておいたのですが、誰もワガママ言いませんでした。

正直、もっと簡素でもよかった気がします。どうですかね?

実際どうだったのか、例えば、リクルーティングの役に立ったのか、というと、どうだったんでしょうか。チラホラ、応募があったとか話は聞くのですが、聞きづらいし、なかなか定量化しづらい部分ですよね。

スポンサー対応

スポンサー対応は、基本的にメールベースで、共通メーリングリストを作成して行ないました。秘匿しなければならないような情報は、さすがに個別で連絡をとりますが、なるべく ML。個別対応はしんどいですから(でも、細かいところは、結局やってました)。

あと、意図して挨拶文などを廃したメールを書くようにしていました。 省力化の一環でもあるのですが、こちらは趣味で行なっている、ということをきちんと示したい、という意図がありました(先方はビジネスである可能性がありますが、こちらはそうではないわけです)。

そんなわけで、メールのフォーマットがなっとらん、と気分を害された方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい。

しかし、最近はビジネスのメールも虚礼を廃するようになってしまった(それで通じるしね…)。

プログラム・企画

発表プログラム

趣意書に書いたとおり、「プログラムの実装技術について議論する」内容を発表してもらうように色々模索しました。

まず、選んでいたときに最も私が聞きたい実装技術の話が出来そうな、そして私が声をかけられる人達に、基調講演、招待講演を依頼しました。東京11は、なにものかよくわからない、一地域Ruby会議です。この基調・招待講演者によって、誰が見ても、どんなカンファレンスであるか、ということがわかるようになったんじゃないかと思います。

CFP については、「技術的好奇心を改めて呼び起こし、プログラミングの難しさ、そして楽しさを再発見する場を目指します。」とあり、敷居が高いです。高いので、あんまり集まらないかな、と思って、これは、という人達に声を沢山かけました。この辺の努力はだいぶしました。やはり、このカンファレンスについては、プログラムが重要です。

結果、12 の応募があり、そのうち 6 個の採択になりました。 本当は、4個くらいのつもりだったんですが、プログラム委員の審査結果が拮抗して、このようになりました。 なので、ギュウギュウ詰めのプログラムだったんですが、招待講演の小崎さんが直前にキャンセルになって、最終的には少しマシになりました。

落選した方の話も、とても面白いご提案ばかりだったと思います。ご応募いただきまして、ありがとうございました。

私が関わるので、なるべく Ruby internal の話じゃないように意識しないとな、と思ってたんですが、 だいぶ話題がばらけて、とても良かったと思います。

ご発表は、スケジュール に、発表資料と動画があるので、ご覧下さい。また、るびまのレポートにも概要がしっかりと載っています。

事前インタビュー

発表者に、事前インタビューを行ないました。これを、るびまの特集号(preTokyoRubyKaigi11)としてまとめました。

笹田がインタビューとテープ起こし、記事化を行ない、zunda さんに編集をして頂きました。

インタビューの目的は五つありました。

一つ目。事前にインタビュー記事を公開して、参加者に見て貰うことにより、どんな発表であるかを知って貰い、予習してもらうことで、より発表を理解してもらう、ということ。「発表は、何も知らない内容よりも、7割8割知っている内容を聞く方が、満足度が高い」みたいな話がありますが(出典忘れた)、それはあると思います。ある程度、どのような発表であり、心づもりがあるだけでも、有意義に聞けるのではないかと思います。

学会などでは「予稿」というものが事前に配付されます。発表する内容を、レポートとしてまとめたものであり、基本的に発表はその内容についてのものになります。それでも、「同じ内容だったら、発表の意味が無い」という話にはなりません。いくつかの理由があるかと思いますが、実際に予習をしておき、著者による発表で要点を整理したほうが、より適切な理解へ辿り着きやすく、そしてその後にしっかりした議論ができる、ということがあるかと思います(まぁ、全部ちゃんと読む時間が無い、ってのもあると思いますが。その場合、リファレンスとして予稿を使ったりします)。今回、どの程度、この「予稿」の意味を達成できたかは未知数ですが、「先にわかっていて良かった」というのがありました。

ちなみに、発表者に予稿書いて、と言ったって、まぁ書いてくれません(忙しいですし、ちゃんとしたレポートを書くのは大変ですから)。なので、運営側(主に笹田)がコストを払って事前に用意しました。本当はテープ起こしなどで外注することで、楽をする予定だったのですが、外注するのが面倒そうで、結局全部自分でやってしまいました。これは失敗だったと思います(もの凄い大変だった)。

事後アンケートでも、予習になって良かった、といった意見を頂いています。

さて、目的の二つ目。広報です。インタビュー記事を公開することで、東京11がどんなイベントであるか、さらに広めるということです。例えば、奥さんのインタビューを公開後、目に見えて参加登録者数が増えましした。

三つ目は記録に残す、という意図です。発表資料も公開してもらっていますが、事前インタビューでは発表意図なども聞けましたので、残す価値はあったかと思います。

さて、四つ目。これが一番大事ですが、発表者に事前インタビューすることで、発表の内容を事前に考えて貰う、というものです。皆さん忙しいですから、直前にならないとなかなか発表準備をしないものです(私だけ?)。インタビューで話をしてもらって、考えをまとめて貰い、発表準備を強制的にしてもらう、というものです。

そして最後。多分私は運営側の仕事で、発表を聞けないことが予想されていましたので、先に内容を聞いておこう、というものです。インタビューなので、質問も自由にでき、聞きたいことを満足するまで聞くことができます。役得ですね。

前述の通り、笹田がインタビューを行ない、テープ起こしを行ないました。インタビューは、(1) 実際に伺って話を聞く (2) Skype 等で話を聞く (3) チャットで話を聞く、の3通りありました。編集は (3) が楽で、色々聞くには (1) が楽。(2) は気楽ですが、音声状況が悪いことが多く、テープ起こしが大変でした。

本当は、何人かで手分けをして、テープ起こしは外注、という体制を考えていたのですが、その体制を作るのが難しく、私一人でやることにしました。繰り返しになりますが、これは失敗でした。大変だった。

ポスター発表

今回はポスター発表を若干数募集しました。

ポスター発表とは、何か発表したい内容をポスターにまとめ、そのポスターの前で発表者が待機する、という発表スタイルになります。企業のスポンサー特典であるポスターブースがあるので、そのついでに企画しました。

結構、好評だったと思います。スポンサーを良い場所(入り口近く)にしたため、ポスター発表ブースが奥の方になってしまい、目立ちづらいところになっていたのは申し訳なかったです。

Speaker’s award

スピーカーに対する賞じゃなくて、スピーカーが誰かに感謝する賞です。どういう感謝基準でもいいんですが。

建前としては、賞をもっとみんなにあげまくったほうが、世の中のためになるんじゃないかと考えて企画しました。

本音では、予算が余ったので、受賞者を招待して、なるべくお金を使いたかった、という事情があります。 発表者(すごいプログラマ)が感謝する人なんで、東京11に来て貰えれば、それは参加者にとっても価値のあることだと思うので、正当化できる支出だと思ったためです。

アンケート結果を見ると、賛否両論で、「やってよかった」「やる意味がわからない、やらない方が良かったのでは」という意見を頂きました。

正直、グダグダだったので、もうちょっとちゃんとやるべきだったなぁ、と思います。

ノベルティ

ステッカーのみ用意しました。1,000枚で約3万円。一枚30円。 鳥井さん作のロゴ。

個人的には、ノベルティにTシャツなどに予算を使うくらいなら、参加費を下げるべきだと思っています。参加者は発表を聞きに来ているのであり、ものを目当てにくるわけではない、という考え方です。なので、ノベルティについては手を抜く代わりに、発表に関することは、しっかり準備しました。

育児スペース

企画というか、設備として、託児スペースを用意するつもりでした。 出張の託児サービスを依頼して、お子さんを預かって貰おうかと。 しかし、会場から、他の会議室利用者の邪魔になるのでまかりならん(やるなら、会議室を貸し切って欲しい)と言われてしまい、泣く泣く断念しました。 このようなサービスを検討されている方は、先に会場に確認することをオススメします(今回は、業者さんと、いくらか話を進めていた段階で発覚しました)。

結局、育児スペースとして、おむつ替えや、お母さんが授乳などを安心してできる区切られたスペースを一個用意しました。ただ、この意図で利用された方は居なかったとか。広報不足ですね。RubyKaigi 2016 のほうは、うまくやっていそうです。

当日

事故がなくてよかったです(書くのが面倒になってきた)。 協力して下さった皆様、ありがとうございます。

一応、タイムテーブルだけ書いておきます。

  • 8:00 open ネットワーク、ライブ配信機材設営開始
  • 9:00 通常準備開始
  • 9:30 受け付け開始
  • 10:00 開始
  • 19:00 終わり
  • 19:30 懇親会開始
  • 19:?? 会場撤収完了、懇親会へ合流
  • 22:?? 懇親会終了

あ、質疑応答が良かったって話は聞きましたね。 ステージの前あたりにマイクを置いて、「質問がある人は来い」というスタイル。 沢山の人が列に並んでくれました。メリットは、マイク運びのコストが削減できる、質疑応答キューが可視化できる、可視化することで、俺も並んじゃおうかな、と質問を誘発する、といったところでしょうか。

「学会スタイル」と言ってた気がしますが、実は学会でもマイク運ぶ、ってスタイルもポピュラーであり、今回は純粋にマイク運びというコストの削減が目的でした。

質問には技術が必要です。そういう意味で、質問が多かったのは、そういう技術を持っていた参加者の方々が多かったからでは、という気もします。 質疑応答に参加して下さった皆様、ありがとうございます。あと、意図して質疑の時間がオーバーしても打ち切らない司会者の差配が良かったかもしれません。つまり私(司会者)偉い。

懇親会

カラオケのパセラのビルでやったんですが、名物ハニトーというのを初めて見ました。サービスで付けてくれたそうです。 ついでに、Ruby コミッタの zzak(ザック)が誕生日だったそうなので、一個余分にバースデーケーキに見立てて用意してくれました。これも、サービスしてもらえました。ダーツ台とかあって、遊べてよかったんじゃないでしょうか。お金があると、色々オプションが広がっていいですね。

事後処理

だいたい、こんな感じでした。

  • 関係者打ち上げのセッティングと開催
  • 関係者向け資料の作成
  • スポンサー費用の回収
  • るびまレポート()の作成(るびま班)
  • このレポートの作成
  • 収支の締め

関係者打ち上げは、スポンサーの方、スタッフの方に声をかけ、お集まり頂きました。あまり、スポンサーをお呼びするというのは聞きませんが、今回はスポンサーの方からの御礼とヒアリングを目的として、打ち上げに来て頂くことにしました。一社づつ回ると大変ですから。ヒアリングというのは、反省点と、次回あるならどうか、という相談ですね。今のところ、次回の予定はないんですが。

関係者資料は、アンケートをまとめたり、収支をまとめたり、人数の詳細やウェブのアクセス数などをまとめたりしたもので、今後の参考のために事実関係をまとめたものになります。お世話になった皆様へのご報告と、それから未来の自分へ(どうせ忘れてしまうので)備忘録として作成しました。このレポートも、その一環かもしれませんね。

おわりに

あまりまとまっていない報告で恐縮ですが、多くの方に助けて頂いて、無事東京Ruby会議11は成功することができました。この場を借りて、重ねて御礼申し上げます。

個人的にも、色々勉強になりました。とくに、税務面。

東京11は、上記の通り、一人でできる範囲に収めるため、たくさん手を抜きましたが(インタビューは手を入れすぎましたが)、そこそこ成功したんじゃないでしょうか。 カンファレンスで大事なのはコンテンツだと思っています。 そこに手を抜かなかったことが、成功の一番の要因ではなかったかと思います。