著者による『はじめてつくる Web アプリケーション〜 Ruby on Rails でプログラミングへの第一歩を踏み出そう』の紹介

書籍情報

『はじめてつくる Web アプリケーション〜 Ruby on Rails でプログラミングへの第一歩を踏み出そう』

はじめてつくる Web アプリケーション-cover

著者
江森真由美、やだけいこ、小林智恵
発行日
2023 年 5 月 3 日 第 1 版 第 1 刷
ISBN
978-4-297-13468-6
出版社
技術評論社 (書籍ページ )
価格
2,600 円 + 税

はじまり

emorima に届いた 1 通のメッセージが本書のはじまりでした。

Ruby on Rails の入門書籍の執筆依頼で、簡単な自己紹介もしてくれていました。その方が学生の頃に Rails Girls に参加してから IT に興味を持つようになり、「新しく生み出すこと」に魅力を感じて、コンピューター関連の出版社で本を作ってみたいと思うようになって、技術評論社に入社したと自己紹介がありました。

本書のはじまりのはじまりは、 Rails Girls でした。

本書の紹介

本書は、 Rails Girls に参加されるような「プログラミング未経験」の方が、環境構築をおこない、シンプルな Rails アプリケーションをつくって、 GitHub へプログラムを公開するまでの入門書です。

日本国内の Rails Girls を 10 年以上サポートしてきた著者たちが、初心者の方に「自分でもつくれる」という成功体験をまずもってもらいたいと考え、 Rails でプログラミングする時に必要なフレームワークの説明は最低限にとどめています。

これまで Rails アプリケーションを作った経験のない方が、本書を通して「プログラミングって楽しい!」と感じてもらえたらと思う工夫をしました。そのあたりは「はじめに」に書いてあるので、是非読んでみてください!

それぞれの章の内容と、執筆時に配慮した点などを少し紹介します。

第 1 章 自分のコンピューターに開発環境を作ろう

(この章の分量: 46 ページ)

テキストエディタ、ブラウザ、Git、 Ruby 、 Rails 、Bundler、ImageMagick のインストールをします (Windows 10 と macOS Big Sur を対象としています)。

初心者の方がプログラミングを始める時に最初に挑む難関、それが環境構築です。 スクリーンショット付きで丁寧に説明しました。また、レビュワーの方や編集の方で環境構築時に発生したエラーは、すべてコラムとして紹介し、読者の方がエラーに遭遇したときに、対応できるように配慮しました。

第 2 章 プログラミングのはじめの一歩

(この章の分量: 30 ページ)

Ruby, Ruby on Rails , Web アプリケーションの仕組みについて簡単に説明をし、第 3 章からアプリケーションをつくっていくためのウォーミングアップをします。

クラス (型) とインスタンスの説明を、どう伝えるのが一番わかりやすいかを考え、たい焼き・大判焼きの型 (クラス) に生地を流し込んで焼く作業 (.new) がインスタンスという説明をイラスト付きでしました。 直後のサンプルコードの犬の名前は、emorima と cobachie が飼っている (た) 犬から取っています。

第 3 章 Web アプリケーションを作ってみよう

(この章の分量: 48 ページ)

第 3 章から、「 pdiary 」という画像付きの日記を投稿する Instagram のような Rails アプリケーションをつくっていきます。 Rails new で新規プロジェクトを作成し、ターミナルからの VS Code の起動、scaffold で枠組みをつくり、ファイルのアップロード機能を追加し、Bootstrap を導入して簡単にデザインを整えるという盛りだくさんの章となっています。

この章では、やることが多く前提知識も必要なため、長い説明で「やっぱりプログラムって難しい」と感じさせないように、説明とプログラムの修正と確認をテンポよく行うように配慮しました。

第 4 章 画面のデザインを変えてみよう

(この章の分量: 34 ページ)

Bootstrap を使って、画面のデザインを Instagram っぽく変えていきます。

最初の節で、一度 Rails アプリケーションから離れ、HTML の要素と CSS について数行のプログラムを通して説明することで、理解しやすいようにしました。仕組みがわかったら、 Rails アプリケーションに戻って、少しずつ View ファイルを変えながら、デザインが変わっていくのを楽しめるようにしています。

第 5 章 ログイン・ログアウト機能を追加しよう

(この章の分量: 48 ページ)

devise を使って、ログイン機能を追加します。 こちら、 devise インストール時に表示される英語のメッセージも丁寧に説明しました。 本書では devise 4.8.1 を利用しています。 実は、本書の出版直前に devise 4.9.0 がリリースされたのですが、最新版の情報に変更するにはあまりにもページ配置の影響が大きかったため、4.8.1 のまま進めることに・・・ ( 執筆の難しさを実感・・・)

第 6 章 バージョン管理システムを使ってみよう

(この章の分量: 32 ページ)

バージョン管理システムの仕組み、フローを学びながら、つくった pdiary のプログラムを GitHub へ公開します。

この章でも、 Rails アプリケーションから一度離れ、簡単なテキストファイルで Git 操作を行うことで、理解しやすく工夫しました。 GitHub は英語のサイトなので、画面操作はスクリーンショット付きで丁寧に説明しました。

第 7 章 Ruby を学ぼう

(この章の分量: 14 ページ)

Ruby でおみくじプログラムをつくっていきます。「おみくじプログラムを作る」から仕様を考え、それをプログラムでつくっていきます。更に、つくったプログラムの拡張と、リファクタリングをします。

「ターミナルで実行する Ruby プログラム」を知ってもらうことで、簡単な Ruby プログラムからもプログラミングを始められると知ってもらえたらと考えました。拡張やリファクタリングをすることで、プログラミングは 1 度つくったら終わりではないこと、少しずつでも手を入れ続けていくものだと伝わればと思っています。

付録 プログラミングを続けよう

(この章の分量: 5 ページ)

プログラミングを続けるための方法として書籍やサイトの紹介と、コミュニティを紹介しています。

本書を読み終えた方が「もう少しプログラミング続けてみようかな」思ったときに、参考になる情報をまとめました。ひとりでも多くの方に「コミュニティってなんだろう?」と興味をもってもらい、そこから「楽しそうだから行ってみようかな」になってもらえたらと願っています。

おわりに

プログラミングは難しいと敬遠しているひとりでも多くの方に、 Rails Girls に参加して欲しいと思っていますが、その情報を届けるのが難しいと感じています。 Rails Girls の内容がまとまった本が書店に並んでいたら、そういった方にも届くのでは……と思い、今回執筆しました。届け!!!(emorima)

「プログラミングやってみようかな・・・どうしようかな?」と悩んでいる方の、はじめの一歩を少しでも後押しできれば、という思いを込めつつ執筆しました。 その結果、このように少し (?) 厚めの本となりました。この本をきっかけに、読んでいただいた方の新しい世界の扉が開くといいな、と思っています!(yadaita)

わたしも最初はプログラミング初心者でした。何からはじめればいいのかわからなかったし、何かやったときに出るエラーをこわいと思っていました。 本書には自分がプログラミングをはじめたときにあったらよかったなと思える内容が詰まっています。 これからプログラミングと仲良くなりたいと感じている方に本書を手にとっていただけるとうれしいです。(cobachie)

著者について

emorima (江森真由美)

株式会社ケーシーエスキャロット 執行役員。 Rails Girls Tokyo オーガナイザー。 Rails Girls Japan メンバー。Asakusa.rb メンバー。酒と Ruby と時々 (福山) 雅治。

yadaita (やだけいこ)

くまモン好きの Rubyist。 Rails Girls Nagoya オーガナイザー。 Rails Girls Japan メンバー。各地の Rails Girls にコーチとしてときどき出没することも。

cobachie (小林智恵)

長野県松本市在住の Web アプリケーションエンジニア。 Rails Girls Nagano オーガナイザー。 RubyKaigi 2023 ローカルオーガナイザー、Kaigi on Rails 2023 オーガナイザーでもある。