日本 Ruby 会議 2010 2 日目 の発表紹介

RubyKaigi2010 2 日目は、8/28 (土) の開催です。今回は大ホールと中ホールで行なわれる発表紹介です。

目次

大ホール

Ruby コミッタ Q & A

スピーカー
Shugo Maeda
時間
09:30〜11:00
概要
RubyKaigi だよ。コミッタ大集合

Ruby を作っているコミッタが大集合する豪華なセッションです。[ruby-dev:41951] Re: Ruby committers Q&A at RubyKaigi に現在このセッションに参加予定のコミッタ一覧が掲載されてます。

ふだん使っている Ruby を作っている人の顔を知ることができ、また質問を気軽にすることができるというのが、このセッションの見所です。

Ruby を作っている人がたくさんいる状況で質問ができるという、めったにない機会です。とても、楽しみですね。また、シャイな Rubyist のために Web でも質問を受けつけています。

超絶技巧 Ruby プログラミング

スピーカー
Yusuke Endoh
時間
13:30〜14:00
概要
Ruby は読みやすいプログラムを簡単に書ける言語だが、読みにくいプログラムも簡単に書ける。 本発表では、発表者による「芸術的に」読みにくい Ruby プログラムを紹介する。 時間があれば、その実装技法の解説を行う。

Ruby と RubySpec のコミッタ、Ruby 1.9.2 リリースマネージャ補佐、Ruby テストメンテナである遠藤さんによる発表です。

例えば最悪な Hello, world! を書いてみたを見れば、「芸術的に」読みにくい Ruby プログラムとはどんなものかすぐに理解できるでしょう。他にも、説明だけ聞いても何が何だか分からないような quine リレー等、多彩な引き出しを持つ遠藤さんの超絶技巧プログラミングの世界を垣間見るチャンスです。

遠藤さんご自身による RubyKaigi 2010 発表予告のエントリもあるので、ぜひご一読ください。

Ruby な日々

スピーカー
Kazuhiro NISHIYAMA
時間
14:00〜14:30
概要
Ruby や Ruby リファレンスマニュアル刷新計画のコミッタとしてどういうことをしているのかという話をする予定です。

西山さんは、Ruby と Ruby リファレンスマニュアル刷新計画のコミッタとして活躍されています。また、るびまの編集者でもあり、標準添付ライブラリ紹介でもおなじみです。今までに書かれた 15 回の連載に目を通してみると、知られていそうで意外と知られていないライブラリや、クラス、メソッドが見つかったりする、おすすめの記事です。

そんな西山さんが、Ruby や Ruby を取り巻く環境に関わっていて、日々どんな活動をしているのか話してくださるそうです。

Ruby リファレンスマニュアル刷新計画 2010 夏

スピーカー
okkez
時間
14:30〜15:00
概要
昨年の報告以降の動きをまとめて報告します。また、今後の予定や特に助けが必要な部分について説明します。

Ruby リファレンスマニュアル刷新計画の活動報告です。RubyKaigi2007 と RubyKaigi2008 では青木峰郎さんが、RubyKaigi2009 では okkez さんが、Ruby リファレンスマニュアル刷新計画について発表してしています。今回も、前回に引き続き okkez さんの登壇です。

okkez さんといえば、Rubyist Hotlinks の第 24 回にも登場してくれましたね。

Ruby リファレンスマニュアル刷新計画は、Ruby 1.8 系および 1.9 系の完全な日本語ドキュメントを作ることを目標に活動しています。日頃、コーディング中に Ruby リファレンスマニュアル、通称「るりま」を参照する機会は少くないでしょう。リファレンスが充実すればするほど、コーディングもはかどるようになります。発表では、このプロジェクトの今後の予定や困っていることが紹介されるとのことなので、るりまを通じて Ruby に貢献する道が示されることと思います。興味をお持ちの方は、ぜひ!

Unix 修正主義

スピーカー
Tanaka Akira
時間
15:30〜16:30
概要
Unix の失敗と Ruby での修正、API の問題の発見と修正について

Ruby のコミッタであり、多数のライブラリを作成されている田中 哲さんによる発表です。

田中 哲さんといえば、最近行なれた札幌 Ruby 会議 02 での「Ruby における 2038 年問題の解決」や、東京 Ruby 会議 03 での「open3 のはなし」の発表が記憶に新しいですね。

Ruby のライブラリ API は Unix からとても大きな影響を受けています。当然、Ruby は Unix より後発ですので Unix の失敗を修正している部分が存在します。それらの事例や今後の修正の予定及び、それらから得られた API 設計について話されるようです。Unix に詳しくなくとも、Ruby という多くのユーザーを持つソフトウェアの API 設計についての話から得られるものはとても大きいでしょう。

Lightning Talks

スピーカー
11 人
時間
17:00〜18:00
概要
ひとり 5 分のライトニングトーク

昨今の勉強会やカンファレンスではお馴染みのライトニングトーク、RubyKaigi2010 でも開催されます!

ライトニングトークとは、限られた時間のなかで発表者が思いのたけをぶつけ、5 分の制限時間を超えれば強制終了のドラが鳴り即座に次の発表に移るという、まさに雷のようなショートトークの時間です。

今回の発表は以下のようなラインナップです。ここでは、各トークのスピーカーを紹介します。詳しい内容は当日をお楽しみに!

  1. ARToolKit Ruby Binding, Urabe, Shyouhei (Network Applied Communication Lab.)
    発表される卜部さんは、Ruby 1.8 系のリリースマネージャをされています。昨年の RubyKaigi2009 でも発表をされています。
  2. Ruby/Tk-Kit から RubyKit へ:Ruby の単一ファイル実行環境の構築に向けて, Hidetoshi NAGAI (Kyushu Institute of Technology / Rubyist Kyushu)
    Ruby 標準添付ライブラリ Ruby/Tk の開発者である永井さんの発表です。RubyKaigi2009 のLT でも、Ruby/Tk について語っていただきました。
  3. What is few?, Shota Fukumori/@sora_h (few developers team)
    Sora さんは Ruby on Rails を使ってアプリケーションを開発したり、Termtter のコミッタをされている現役中学2年生 (!) です。
  4. Toward Lightning RubyVM, Koichi Sasada (The University of Tokyo)
    Ruby 1.9 系の VM である YARV の開発者、RubyKaigi2010 プログラム委員長、またるびまの編集員でもある笹田さんの発表です。今回は「東京大学大学院 笹田研究室の笹田さん」として、どのような発表をされるのでしょう?
  5. MessagePackで多言語間通信, Sadayuki Furuhashi
    分散 key-value ストアシステム kumofs や高速なデータシリアライズライブラリ MessagePack の開発者として有名な古橋さんの発表です。
  6. Rubyで手軽に暦日を算出しよう!, Yoshihiko Hara (Japan OSS Promotion Forum Application Sub Committee Ruby Application Task Force, FUJITSU SOCIAL SCIENCE LABORATORY LIMITED)
    富士通ソーシアルサイエンスラボラトリから、原さんの発表です。原さんは、日本の特徴的な暦を計算するライブラリを Ruby で作成されました。LT では、このライブラリについて発表されるそうです。
  7. Introducing the Lingo Project:A New Generationi Text Input System Leveraging Non-native English Writing, Kazki Matz (Lingo project)
    昨年 RubyKaigi2009 の LT でも発表された松本さん。英文入力のためのソフトウェア Lingo の開発で未踏プロジェクトに採択されました。
  8. babushka―test-driven sysadmin for rubyists, Ben Hoskings (babushka)
    海外からの LT 参加となる Ben Hoskings さん。”test-driven sysadmin” をキーワードとして、Babushka というツールを開発されています。
  9. parse.y の歩き方 -ワシの Ruby は 4 式まであるぞ-, Ando Yasushi (Seesaa Inc.)
    すべての発表を LT で行い、投票されたなかから最も得票数が多い LT を基調講演とするのが特徴の TokyuRubyKaigi にて、開催された過去 2 回連続で基調講演を務めたあんどうさん。最近は「Google Wave 本のひと」としても有名になってしまいました。
  10. 時を超えた電子出版の道の中を Ruby と歩いていく, Masayoshi Takahashi (Tatsu-zine publishing, Nihon Ruby-no-Kai)
    日本 Ruby の会会長の高橋さんは、昨年の RubyKaigi2009 では基調講演をされました。また、電子書籍の時代が到来するなか達人出版会を立ち上げています。
  11. Ruby Summer of Code 2010 のご報告 〜俺たちの Decimal はまだ始まったばかりだ〜, Tadashi Saito (University of Tsukuba)
    斉藤さんは、Ruby プログラマの学生を支援する Ruby Summer of Code に、数値演算ライブラリ Decimal の開発で採択されました。2008 年の Reject Reject 会議では Decimal についての熱い思いを歌にされていました。また RubyKaigi2010 実行委員として、制限時間終了のドラを叩く通称「ドラ娘」も鋭意ブッキング中とのこと。こちらもお楽しみに。

中ホール

Rocking the enterprise with Ruby

スピーカー
Muujal Budhabhatti And Sudhindra Rao
時間
09:30〜10:00
概要
エンタープライズでの Ruby の利用について

『ThoughtWorks アンソロジー』で知られる ThoughtWorks 社の方のセッションです。 プロジェクトで Ruby を採用した理由やどのようにアーキテクチャを設計したのか、といった少し上流の話を主として、Ruby を使用することでどのように変化に対応し、早くリリースすることができたか、という経験について話してくださるようです。 ThoughtWorks 社がどのような対応を行なってきたのか、とても興味深いですね。

Rails to Sinatra: What is ready

スピーカー
Jiang Wu
時間
10:00〜10:30
概要
Sinatra の紹介

Sinatra は、 MVC における C を主に担当する軽量 Web フレームワークです。 Jiang Wu さん自身の経験を元に Rails ユーザが Sinatra へ移行する際に気になった点などの解説をしてくれます。 また、3 月に 1.0 がリリースされたことによる API の変更点についての解説も合わせて行っていただけるので、モダン Sinatra プログラミングとしての発見もあるかもしれませんね。

なお、日本語での Sinatra 1.0 のリソースとしては gihyo.jp にて連載されている Ruby Freaks Lounge にて Sinatra 1.0 の世界にようこそという回があるので、予習をしておくと良いかもしれませんね。

Mapping the world with DataMapper

スピーカー
Ted Han
時間
10:30〜11:00
概要
Ruby 製 ORM DataMapper の紹介

DataMapper は Ruby で書かれた ORM です。6 月 12 日についにバージョン 1.0 がリリースされました

Ruby においては、Ruby on Rails の人気の高さから ActiveRecord を使用しているユーザーが多いと思いますが、DataMapper も非常に優れた ORM です。InfoQ に開発者へのインタビューの記事が掲載されています。事前に読んでおくと、発表の内容も掴みやすいでしょう。

The Necessity and Implementation of Speedy Tests

スピーカー
Jake Scruggs
時間
13:30〜14:30
概要
われわれはいかにして高速なユニットテストを実装したか

Jake Scruggs さんは、コードメトリクス計測ツール群である metric_fu の Lead Developer です。

プロジェクトの成長と共に、いつしかテストの実行に大きな時間が掛かるようになってしまいます。時間の掛るテストはスローテストと呼ばれ、開発のリズムを崩し、テストを実行することを億劫にします。

そこで、10 のプロジェクトを通じて経験した、Ruby におけるスピーディなテストを作成するためのポイントやガイドラインについてを話していただけるようです。 豊富な経験に基づく内容なので、実際にテストを書く際の指標として得るものは大きいでしょう。

Seamless Integration Testing

スピーカー
paulelliott
時間
14:30〜15:00
概要
統合されたユニットテストを実装するためのノウハウの紹介

テストが多くなるにつれ、テストを自動化して簡単に実行できるようにすることが重要になってきます。

自動化されたユニットテストを行う事は重要ですが、きちんと網羅されていなければ有効ではありません。また、JavaScript を含んだテストの実行やファイルアップロードのテストは、自動化が難しいものです。そのような、やりにくいと感じる部分のテストをどのように行ったかを説明していただけるようです。

どのように問題を解決していったのか、とても興味深いですね。

A Metaprogramming Spell Book

スピーカー
Paolo “Nusco” Perrotta
時間
15:30〜16:30
概要
とあるメタプログラミングの魔術書

『Metaprogramming Ruby』の作者である Paolo “Nusco” Perrotta さんのメタプログラミングについての発表です。Paolo さんは、Java の有名な ORM である Hibernate のコミッタの一人でもあります。

『Metaprograming Ruby』 は、現在角征典さんにより翻訳され、ジュンク堂書店 RubyKaigi 店の店頭に列ぶ予定です。また、会場ではサイン会も行なわれる予定です。

メタプログラミングは Ruby の特徴としてよく知られていますが、一方で黒魔術と呼ばれ難しいものと思われています。『Metaprogramming Ruby』翻訳者の角さんによる、Ruby によるメタプログラミングについての簡単なクイズを解いて、予習しておくと良いかもしれませんね。