著者:笹田耕一
おかげさまで、Rubyist Magazine は 6 周年を迎えました。そこで、今年 1 年間、およびこれまでのるびまについてまとめ、今後について考えてみたいと思います。
今年一年を振り返ってみると、6 年目は RubyKaigi 2010 直前特集を含めると 5 回、リリースしています。
去年、一昨年が 3 回のリリースであることを考えると、リリース回数が約 1.6 倍となっており、大変アクティブになったと言うことができると思います。
リリース日と記事数でプロットしたグラフを次に示します。
グラフを見ると、前半のハイペース、中盤の中だるみ、そして 6 年目の巻き返しを見ることが出来ます。
また、リリース回数と、記事数をプロットしたグラフを次に示します。左の縦軸がリリース回数を、右の縦軸が記事数を示しており、それぞれ何年目に何回リリースし、記事数が合計いくつであったか、ということを示しています。
リリース回数と記事数はだいたい相関していることと、先ほどのグラフでも述べた「前半のハイペース、中盤の中だるみ、そして 6 年目の巻き返し」をさらにはっきりと確認することができます。また、5 年目から、記事数が多くなり、リリース数が少ない代わりに盛り上げていこう、という機運が感じられます。
さて、6 年目の記事を見てみましょう。
相変わらず、巻頭言が続いています。凄いですね。新しい出版の形を目指す達人出版会を先日立ち上げた高橋編集長ですが、まずは巻頭言を出版してみるのはどうなんでしょうか。
FirstStepRubyは、Ruby 1.9.2 もリリースされた今となっては、内容が少し古くなっていますね。編集しないとなぁ。誰かやってくれませんかね。
インタビュー記事である Rubyist Hotlinks は、23 号の Rubyist Hotlinks 【第 21 回】 原信一郎さん から中断していましたが、無事に再開することができました。これも、nari さんが「なぜ俺にインタビューをしないのか?」と 2009 年の Ruby World Conference の懇親会で詰め寄られた(一部誇張)おかげです。どうもありがとうございました。しかも、30 号の okkez さんから、インタビュアーが笹田から交代しました。個人的には、インタビューはとても楽しくさせてもらえたので、寂しい気もしますが、インタビュー記事が中断していた理由も、笹田の時間が無い、という言い訳によるものが大きかったので、るびま的にはとても良いことだと思います。okkez さんがバトンを取ってくれたので、今後は関西の Rubyist が続くのではないかと思います。
中国の Rubyist にインタビューする「中国の若きエンジニアの肖像」は、2 人分掲載されました。
人気だったるびまゴルフが 28 号で連載を終了されました(るびまゴルフ 【最終回】)。いや、きちんと終わらせている、というのは良いことなんだろうな。
久々に「標準添付ライブラリ紹介 【第 15 回】 tmpdir, tempfile」が掲載されました。
ソフトウェア紹介という意味では、ActiveLdap を紹介する前後編の後編、および jpmobile を紹介する前後編が掲載されました。
個別記事は次のとおりです。
きちんと、地域 Ruby 会議のレポートがまとまってるのが、いろいろな理由で参加できない人にはありがたいですね。それから、31 号(今回)は、RubyKaigi 2010 で発表してくれた人たちからの寄稿があります。いや、「書いて」ってお願いしたからんですけどね。ぜひ、今後は会議の場で発表するだけでなく、文章にまとめることが普通になってもらえるといいなぁ、と思います。いや、まず自分からか。
その RubyKaigi 2010 ですが、開催前に preRubyKaigi2010 がリリースされました。
RubyKaigi2010 に参加するための心得をまとめた参加者のしおりなど、とてもよい試みではないかと思います。
さて、ささだは初期からるびまの活動をしていましたが、6 年目はほとんど動いていません。この記事も、私が書いて良いのかなぁ、というくらいのものなのですが、ご指名頂いたので書かせて頂いている次第です。
6 年間で 31 号ということで、平均 5.16 回リリース/年(去年は 5.4 回リリース/年)。特別号を入れると 36 回リリースなので、6 回リリース/年。記事数は特別号を入れて 437 記事で、72.8 記事/年ということになります。
現状分析でも述べたように、今年一年間でリリース回数はすごく増えております。それだけ、るびまにコミットしてくれる方が増えた、という言い方が出来るかもしれません。ささだが騒がなくなってもリリースされるようになった、ということも出来るかと思います。このままの調子で続いてくれると一読者としては嬉しいですね。
ただ、内情を見てみると、一部の編集者の方がたくさんの記事の編集を担当されていたり、と大変そうです。編集者の数が足りていないなぁ、といういつもの人手不足が見える感じです。
編集者の仕事は、いくつかレベルに分かれていて、例えばこんな感じです。
「担当編集者」を、一人の編集者が複数の記事を抱えていて大変、という感じです。最初に示した記事修正の仕事はとても気楽なものなので、「るびまの編集を手伝ってあげてもいいかな」と思う人は、まずは記事修正に立候補してみてはいかがでしょうか。編集前の生の記事が読める、なんて特典もあります。
るびまは 6 周年を迎えました。ありがたいことです。6 周年。継続は力なり。今後とも、続けていけるといいですね。
というわけで、こんなるびまに、記事書いてみませんか? もしくは、編集者になって、記事を編集してみませんか?
笹田耕一。1979 年生まれ。2004 年東京農工大学大学院工学研究科博士前期課程情報コミュニケーション工学専攻卒業。2006 年同大学院工学教育部博士後期課程電子情報工学専攻退学。同年東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手、2007年同助教、2008年同講師 (現職)。オペレーティングシステムやシステムソフトウェア、並列処理システム、言語処理系、プログラミング言語に関する研究に興味を持つ。情報処理学会、ACM各会員。Rubyコミッタ、日本Rubyの会理事。
なんか、いつの間にか研究室をもつようになって 2 年強。なぜか、今イギリスに居ます。が、やっぱりあまり Ruby を触る時間が取れない。あと一ヶ月がんばろ。